「介護職は残業が多いのでは?」「記録や申し送りは勤務時間内に終わるの?」と不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
介護職の残業の有無や長さは、施設種別、人員配置、シフト、記録や会議の運用などによって変わります。求人票の「残業なし」「月平均○時間」という記載だけで判断せず、何の業務で時間外が生じるのか、残業代はどのように扱われるのかまで確認することが大切です。
この記事の要点
- 介護職の残業は、施設の勤務体制や業務の分担によって異なります。
- 原則として、法定労働時間を超える時間外労働には割増賃金が必要です。
- 応募前には、残業時間だけでなく、記録・申し送り・会議・研修の扱いを確認しましょう。
- 残業を抑えたいときは、希望する勤務時間と業務範囲を具体的に伝えることがポイントです。
介護職の残業は多い?まず知っておきたいこと
介護職の残業について、全国一律に「多い」「少ない」と断定することはできません。入居系施設、通所系サービス、訪問系サービスなどでは、利用者数、提供時間、職員の配置、業務分担が異なるためです。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、施設介護員の職場には24時間介護サービスを提供する施設が多く、交替勤務や夜間勤務があると示されています。また、業務には生活支援・身体介助だけでなく、記録、多職種との連携、レクリエーションの計画なども含まれます。こうした業務をいつ、誰が担うかによって、時間外が発生しやすい場面は変わります。施設介護員の職業情報(job tag)も参考にしてください。
残業につながることがある業務
残業として扱われるかどうかは就業規則や実際の指揮命令によりますが、介護現場では、記録、申し送り、会議・研修、急な欠勤時の対応などが勤務終了時刻と重なることがあります。求人票を見る際は、これらを「必ず残業になる」と捉えるのではなく、勤務時間内に確保されているか、担当や時間がどう決まるかを確認しましょう。

「残業なし」でも確認したい理由
求人票に「残業なし」または「月平均○時間」とあっても、早出・終業後の申し送り・記録の時間がどう扱われるかまでは読み取れない場合があります。固定残業代が含まれる求人では、対象となる時間数と超過分の扱いも確認が必要です。書かれていないことは、応募前の問い合わせや面談、職場見学で具体的に聞くとよいでしょう。
残業代の基本|法定労働時間と割増賃金
労働時間の基本的なルールは、介護職を含む雇用されて働く人に共通します。厚生労働省は、原則として1日8時間・1週40時間を法定労働時間と案内しています。時間外労働や休日労働を行わせる場合には、原則としてあらかじめ36協定の締結・届出が必要です。厚生労働省「労働時間・休日」
なお、36協定とは、法定労働時間を超える時間外労働や休日労働を行うために、使用者と労働者代表(または労働組合)が締結し、労働基準監督署へ届け出る協定です。36協定を締結・届出しても、時間外労働を無制限に行えるわけではなく、原則として上限が定められています。
| 区分 | 基本的なルール | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 法定労働時間 | 原則として1日8時間・1週40時間 | 変形労働時間制の有無、シフト単位での勤務時間 |
| 時間外・深夜労働 | 時間外労働、午後10時〜翌午前5時の深夜労働には25%以上の割増賃金 | 残業代・深夜割増の計算方法と支給条件 |
| 法定休日労働 | 法定休日の労働には35%以上の割増賃金 | 法定休日と所定休日の区別、休日出勤時の扱い |
| 派遣で働く場合 | 割増賃金のルールは派遣労働者にも適用 | 派遣元との契約、残業可否、申請方法 |
時間外・休日・深夜労働の割増賃金について、厚生労働省は、時間外または深夜の労働には25%以上、法定休日の労働には35%以上の割増賃金が必要と説明しています。派遣労働者についても割増賃金のルールは適用され、時間外・休日・深夜労働の割増賃金は派遣元が支払う責任を負います。厚生労働省「時間外・休日労働と割増賃金」
ただし、実際の残業代は、雇用形態、賃金規程、変形労働時間制、手当の内容などで変わります。個別の計算や判断が必要な場合は、雇用契約書・給与明細・就業規則を確認したうえで、派遣元や勤務先の窓口、必要に応じて労働相談窓口へ相談してください。

求人票と雇用契約書で確認したい5つのポイント
残業を抑えたい方は、勤務開始後ではなく応募前に確認することが重要です。次の5点を、自分の希望条件と照らして整理してみましょう。
| 確認項目 | 見る・聞くポイント |
|---|---|
| 月平均残業時間 | 直近の実績か、予定値かを確認する |
| 残業が生じる業務 | 記録、申し送り、会議、研修、急な欠員対応の扱いを聞く |
| 勤務時間と休憩 | 始終業時刻、休憩時間、早出・遅出の有無を確認する |
| 給与・手当の内訳 | 固定残業代の有無、対象時間、超過分の扱いを確認する |
| 業務・勤務地の変更範囲 | 将来変更される可能性がある業務・就業場所を確認する |
2024年4月から、募集時には「従事すべき業務の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」「有期労働契約を更新する場合の基準」も明示事項に加わっています。仕事内容や配属先が将来どのように変わりうるかを把握するためにも、求人票や労働条件通知書の記載を確認しましょう。厚生労働省「労働条件明示等」

残業を抑えたい人が職場見学・相談時に聞く質問
残業の実態は、求人票の短い記載だけではわからないことがあります。職場見学や面談では、責めるような聞き方ではなく、「働き方を具体的にイメージしたい」という姿勢で確認するとよいでしょう。
- 記録や申し送りは、どの時間帯に行うことが多いですか。
- 会議・研修は勤務時間内に設定されていますか。
- 急な欠勤が出た場合は、どのようにフォローしていますか。
- 早出や終業後の対応が必要になる場面はありますか。
- 残業が難しい曜日・時間帯がある場合、事前に相談できますか。
質問の数を増やしすぎるよりも、自分が譲れない条件を優先して伝えることがポイントです。職場見学での質問の組み立て方は、介護派遣の職場見学で聞くべき質問リストも参考にしてください。
希望条件を整理して、自分に合う介護職の求人を探そう
残業時間だけで職場を決めるのではなく、勤務時間、業務範囲、夜勤の有無、通勤時間、休日などをまとめて検討することが大切です。「何時までなら働けるか」「避けたい業務はあるか」「収入と生活のどちらを優先するか」を整理しておくと、求人を比べやすくなります。
希望条件が多くて優先順位を付けにくい場合は、介護職のお仕事相談で、勤務時間や就業場所などの希望を伝えながら、働き方を検討してみてはいかがでしょうか。
よくある質問
介護職の残業はどのような業務で発生しやすいですか?
記録、申し送り、会議、研修、急な欠勤対応などが時間外になるかは職場の運用で異なります。応募前に、具体的にどのような場面で残業が生じるのかを確認しましょう。
介護職の残業代はどのように計算されますか?
原則として法定労働時間を超える時間外労働には25%以上、深夜労働にも25%以上の割増賃金が必要です。具体的な計算は雇用契約、勤務形態、賃金規程で異なります。
派遣の介護職でも残業代は支払われますか?
雇用形態にかかわらず割増賃金のルールは適用されます。派遣労働者の時間外・休日・深夜労働の割増賃金は、派遣元に支払責任があります。
求人票の「残業なし」はそのまま受け取ってよいですか?
残業時間の実績、記録や会議の時間、早出の扱い、固定残業代の有無まで確認することが大切です。記載がない点は応募前に質問しましょう。
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まとめ
介護職の残業は、施設種別や勤務体制、業務分担によって異なります。応募前には、残業時間の数字だけでなく、時間外になりやすい業務、勤務時間と休憩、手当の内訳、業務・就業場所の変更範囲まで確認しましょう。
自分に合う職場を選ぶためには、「残業は月にどの程度までなら可能か」「どの時間帯なら働きやすいか」を具体的にすることが大切です。希望条件を整理したうえで、納得できる働き方を探していきましょう。
執筆・監修
ブレイブ コラム編集室
本記事は、医療・福祉業界に特化した人材派遣・紹介サービスを提供する「株式会社ブレイブ」のコラム編集室が執筆・監修しています。現場のリアルな声と最新の業界動向に基づき、介護士・看護師・保育士の皆様のキャリアアップに役立つ情報をお届けします。
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