「夜勤手当って実際いくらもらえるの?」「施設や地域によって違うって聞いたけど、どのくらい差があるの?」
介護職への転職を考えている方や、現役で働いている方の中には、このような疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。介護職の夜勤手当は、月収に大きく影響する重要な要素です。同じ夜勤でも、働く施設や地域によって手当の金額には差があります。
この記事では、施設別・地域別の夜勤手当の相場から、具体的な計算方法、そして月収への影響まで、最新データをもとにわかりやすく解説します。夜勤手当の仕組みを正しく理解し、自分に合った職場選びの参考にしてください。
介護職の夜勤手当とは?深夜割増賃金との違いを整理しよう
求人票を見る際、まず理解しておきたいのが「夜勤手当」と「深夜割増賃金」の違いです。この2つは似ているようで、法的な位置づけが異なります。
■ 夜勤手当は法律上の義務ではない
夜勤手当とは、夜勤を行う職員に対して施設が独自に支給する手当のことです。実は、夜勤手当の支給は法律で義務付けられているわけではありません。そのため、支給の有無や金額は施設が自由に決めることができます。
一方、深夜割増賃金(深夜手当)は労働基準法第37条で義務付けられています。午後10時から翌午前5時までの間に働いた場合、施設は基礎賃金(時給)の25%以上を上乗せして支払わなければなりません。これは雇用形態に関わらず、すべての職員に適用されます。
■ 「夜勤手当」と「深夜割増賃金」の関係
施設によって、給与の支払い方には以下の2つのパターンがあります。
1. 夜勤手当の中に深夜割増賃金が含まれているパターン
2. 深夜割増賃金とは別に、夜勤手当が加算されるパターン
ポイント:求人票を見る際は、夜勤手当の金額だけでなく、「深夜割増賃金が別途支払われるか」を確認することが重要です。一律固定額の夜勤手当が支給される場合、月給の高い職員では法定の深夜割増賃金を下回ってしまうケースもあるため注意が必要です。

介護職の夜勤手当の相場はいくら?施設別・地域別に比較
■ 全体の相場感
介護職の夜勤手当の相場は、1回あたり5,000円~8,000円程度が全国的な平均とされています。ただし、施設形態や地域によってこの金額には開きがあります。
■ 施設別の夜勤手当比較
日本医療労働組合連合会の「2024年介護施設夜勤実態調査」によると、2交替夜勤(16時間前後)における施設別の夜勤手当平均額は以下のようになっています。
| 施設種別 | 平均額(1回) | 最高額 | 最低額 |
| 介護老人保健施設(老健) | 7,684円 | 13,000円 | 4,000円 |
| 特別養護老人ホーム(特養) | 5,879円 | 8,850円 | 5,000円 |
| 小規模多機能型居宅介護 | 5,467円 | 9,000円 | 3,500円 |
| グループホーム | 5,225円 | 9,000円 | 3,500円 |
| 看護小規模多機能型 | 5,194円 | 8,400円 | 3,200円 |
最も手当が高いのは介護老人保健施設(老健)です。老健は医療依存度の高い利用者さんが多く、夜間対応の負担や責任が大きいため、手当が高めに設定される傾向があります。同じ施設種別でも、法人によって最高額と最低額に大きな差があることがわかります。
■ 2交替と3交替で手当はどう違う?
夜勤の勤務形態によっても手当の額は変わります。
・2交替夜勤(16時間前後):1回あたりの手当が高い(平均5,973円)
・3交替の準夜勤・深夜勤(8時間前後):1回あたりの手当は低め(平均2,923円~4,870円)
2交替制は1回あたりの拘束時間が長いため手当が高くなりますが、3交替制は1回の負担が軽い分、手当も抑えめになります。
■ 地域によっても夜勤手当に差がある
夜勤手当そのものの都道府県別データは公的調査には存在しませんが、地域による差は確実にあります。その主な理由は以下の2点です。
1. 地域別最低賃金の違い
深夜割増賃金は「基礎賃金(時給)× 25%」で計算されるため、最低賃金が高い都市部ほど深夜割増の絶対額が大きくなります。東京(1,163円)と地方(900円台~)では、同じ夜勤時間でも支給額に差が出ます。
2. 都市部の求人競争
都市部は人材確保の競争が激しく、施設側が夜勤手当を高めに設定する傾向があります。例えば、関東都市部における夜勤専従パートの日給相場は以下のようになっています。
| 都道府県 | ショート夜勤(8時間) | ロング夜勤(16時間) |
| 東京都 | 20,000~25,000円 | 25,000~28,000円 |
| 神奈川県 | 18,000~22,000円 | 21,000~35,000円 |
| 埼玉県・千葉県 | 18,000~25,000円 | 23,000~35,000円 |
厚生労働省のデータによると、介護職の地域別年収差は最大約130万円(東京と地方の比較)にのぼります。地方から都市部への転職を検討している方は、夜勤手当を含む総収入で比較することが大切です。

夜勤手当の計算方法をわかりやすく解説
■ 深夜割増賃金の計算式
自分がもらうべき最低限の深夜割増賃金は、以下の式で計算できます。
基礎賃金(時給) = 月給 ÷ 月の所定労働時間
深夜割増賃金 = 基礎賃金 × 0.25 × 深夜労働時間(22時~翌5時)
■ 具体的な計算例
例えば、月給22万円、月の所定労働時間が160時間、1回の夜勤で深夜労働時間が7時間の場合で計算してみましょう。
・基礎賃金:220,000円 ÷ 160時間 = 1,375円/時
・深夜割増:1,375円 × 0.25 × 7時間 = 2,406円
この場合、1回あたり最低でも2,406円の深夜割増賃金が発生します。もし施設が「夜勤手当5,000円(深夜割増を含む)」と定めている場合、差額の2,594円が実質的な「ねぎらい分」の手当ということになります。
■ 夜勤手当が「違法」になるケースに注意
基本給が高いベテラン職員の場合、法定の深夜割増賃金が施設の定めた一律固定の夜勤手当を上回ってしまうことがあります。この場合、施設は不足分を別途支払う義務があります。気になる場合は、就業規則や給与規定を確認してみましょう。
夜勤回数別・月収シミュレーション
■ 月収への影響を試算
夜勤に入ると、月収はどれくらいアップするのでしょうか。特養(平均5,879円)と老健(平均7,684円)で、月の夜勤回数別にシミュレーションしてみます。
| 夜勤回数/月 | 特養(5,879円) | 老健(7,684円) |
| 月2回 | +11,758円 | +15,368円 |
| 月4回 | +23,516円 | +30,736円 |
| 月5回 | +29,395円 | +38,420円 |
| 月8回 | +47,032円 | +61,472円 |
正社員の場合、月に4~5回の夜勤に入るのが一般的です。月4回夜勤に入った場合、特養では年間約28万円、老健では年間約37万円の年収アップが期待できます。
夜勤手当が高い職場を選ぶポイント
■ 求人票で確認すべき3つのポイント
転職で夜勤手当を重視する場合、求人票では以下の3点を確認しましょう。
1. 夜勤手当の金額:1回あたりの金額と、固定額か変動かを確認します。
2. 深夜割増賃金の扱い:夜勤手当に深夜割増が含まれているか、別途支給されるかを確認します。
3. 月の夜勤回数:「月〇回程度」という記載を確認し、無理のないペースで働けるか判断します。
■ 施設形態で選ぶなら老健が有利
データで見た通り、夜勤手当の平均額・最高額ともに最も高いのは介護老人保健施設(老健)です。ただし、老健は医療ケアが必要な利用者さんが多いため、夜間対応の責任も重くなります。手当の高さだけでなく、自分のスキルや適性に合っているかを考慮して選びましょう。
■ 派遣で夜勤ありの求人を探すメリット
夜勤の条件にこだわって職場を探すなら、介護派遣を利用するのもおすすめです。派遣会社が施設との交渉を代行してくれるため、夜勤手当の条件や月の回数を事前に明確にすることができます。
ブレイブでは、高時給で夜勤手当も充実した介護派遣求人を多数取り扱っています。複数の施設を比較して、自分に合った職場を見つけたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ
介護職の夜勤手当について、施設別・地域別の相場や計算方法を解説しました。
・介護職の夜勤手当の相場は1回5,000~8,000円。施設別では老健が最も高い
・「夜勤手当」と「深夜割増賃金」の違いを理解して求人票を見ることが重要
・地域差も確実にある。都市部は最低賃金・求人競争の影響で夜勤手当が高めになる傾向
・月4~5回の夜勤で年収20~37万円のアップが期待できる
・夜勤手当が高い職場を選ぶには、求人票で金額・深夜割増の扱い・回数を確認する
夜勤は身体的な負担もありますが、収入アップに直結する重要な働き方です。手当の仕組みを理解し、納得して働ける職場を見つけましょう。
よくある質問
Q:夜勤手当に税金はかかりますか?
はい、夜勤手当や深夜割増賃金は給与の一部とみなされるため、所得税や住民税などの課税対象になります。また、社会保険料(健康保険・厚生年金など)の算定基礎にも含まれます。額面だけでなく、手取り額でどれくらい増えるかを意識しておくことが大切です。
Q:派遣社員でも夜勤手当はもらえますか?
派遣社員でも、午後10時から翌午前5時までの間に働いた場合は、労働基準法に基づき必ず「深夜割増賃金(時給の25%増し)」が支払われます。施設独自の「夜勤手当」が別途支給されるかどうかは、派遣会社と施設の契約内容によって異なります。事前に派遣会社の担当者に確認しましょう。
Q:夜勤中の休憩時間にも手当はつきますか?
休憩時間には賃金が発生しないため、深夜割増賃金もつきません。例えば、夜勤の勤務時間が16時間で、そのうち2時間が休憩時間の場合、実働の14時間に対してのみ賃金が計算されます。休憩が深夜帯(22時~翌5時)に含まれる場合、その時間分の深夜割増は引かれることになります。
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