保育士として働く中で、「認可保育園と認可外保育園、どちらで働くべきか」という悩みを抱えたことはありませんか?給料、職場環境、キャリアの道筋など、両者には大きな違いがあります。
この記事では、既に保育士として働いている方やブランク復職を検討している方に向けて、認可保育園と認可外保育園での仕事内容、給料、職場環境の違いを詳しく解説します。
自分のライフスタイルやキャリア目標に合った職場選びの判断基準が得られるはずです。
認可保育園と認可外保育園の定義(保育士視点)
認可保育園とは
認可保育園は、国が定めた「児童福祉法」に基づき、厚生労働省の設置基準を満たした保育施設です。保育士の配置基準、園舎の面積、設備など、すべてが国の基準をクリアしています。
認可保育園の特徴:
- 国の設置基準を満たしている
- 保育士の配置基準が厳格に定められている
- 保護者の保育料は世帯年収に応じた設定
- 待機児童が多く、入園選考が厳しい
認可外保育園とは
認可外保育園は、国の設置基準を満たさない保育施設の総称です。「認可外=質が低い」というイメージを持つ方も多いですが、実際には多様な形態があり、独自の教育方針やサービスを提供している施設も多くあります。
認可外保育園の主な形態:
- 認証保育園:東京都など一部の自治体が独自の基準で認定
- 企業主導型保育園:企業が従業員の子どもを預かる施設
- 小規模保育事業:定員19名以下の小規模施設
- 認可外保育園:上記に該当しない民間保育施設
認可保育園で働く保育士の仕事内容
保育業務
認可保育園での保育業務は、国の「保育所保育指針」に基づいて行われます。子どもの発達段階に応じた保育計画を立案し、それに沿った保育を実施することが求められます。
主な保育業務:
- 子どもの健康管理と安全確保
- 発達に応じた遊びや学習の提供
- 食事、排泄、睡眠などの生活指導
- 子どもの発達記録の作成
事務作業と書類作成
認可保育園では、国の基準に基づいた書類作成が多くあります。保育計画、月案、週案、個別指導計画、保育記録など、子どもの発達を記録し、保育の質を確保するための書類が必要です。
主な書類作成:
- 保育計画・月案・週案
- 個別指導計画
- 保育記録・連絡帳
- 健康管理記録
- 指導案
保護者対応
認可保育園では、保護者との関係構築が重要です。連絡帳での情報共有、送迎時の面談、懇談会など、定期的に保護者とコミュニケーションを取ります。
主な保護者対応:
- 連絡帳への記入と確認
- 送迎時の情報交換
- 懇談会や個人面談
- 保護者からの相談対応
認可外保育園で働く保育士の仕事内容
保育業務
認可外保育園では、施設の方針に基づいた保育が行われます。認可保育園のような国の基準に縛られないため、独自の教育方針を実現できる反面、施設ごとに保育内容が大きく異なります。
主な保育業務:
- 施設独自の教育方針に基づいた保育
- 子どもの健康管理と安全確保
- 遊びや学習活動の提供
- 生活指導
事務作業と書類作成
認可外保育園では、国の基準がないため、書類作成の量が施設によって大きく異なります。シンプルな記録のみの施設もあれば、認可保育園と同程度の書類を作成する施設もあります。
主な書類作成:
- 保育記録(施設による)
- 連絡帳
- 健康管理記録
- 施設独自の指導案
保護者対応
認可外保育園では、保護者との関係がより密接になる傾向があります。小規模施設が多いため、保護者とのコミュニケーションが頻繁に行われます。
主な保護者対応:
- 連絡帳への記入と確認
- 送迎時の情報交換
- 保護者からの相談対応
- 施設の運営方針の説明
1日のスケジュール比較
認可保育園での1日のスケジュール(例)
| 時間 | 業務内容 |
|---|---|
| 7:00 | 出勤・朝礼 |
| 7:30 | 早番保育士の引き継ぎ |
| 8:00 | 子どもの受け入れ開始 |
| 9:00 | 朝の活動(朝礼、体操など) |
| 9:30 | 保育活動(遊び、学習など) |
| 11:30 | 昼食の準備・食事 |
| 12:30 | 午睡の準備・午睡 |
| 14:30 | 午睡終了・おやつ |
| 15:00 | 保育活動・帰宅準備 |
| 16:00 | 子どもの送迎対応 |
| 17:00 | 保育記録・書類作成 |
| 18:00 | 翌日の準備・退勤 |
認可外保育園での1日のスケジュール(例)
| 時間 | 業務内容 |
|---|---|
| 8:00 | 出勤・施設の準備 |
| 8:30 | 子どもの受け入れ開始 |
| 9:00 | 朝の活動 |
| 9:30 | 保育活動(施設独自のプログラム) |
| 11:30 | 昼食の準備・食事 |
| 12:30 | 午睡の準備・午睡 |
| 14:30 | 午睡終了・おやつ |
| 15:00 | 保育活動・帰宅準備 |
| 16:00 | 子どもの送迎対応 |
| 17:00 | 施設の片付け・退勤 |
スケジュールの違い:
- 認可保育園は、朝礼や書類作成の時間が組み込まれている
- 認可外保育園は、より柔軟なスケジュールで運営されている傾向

給料・待遇の違い
月給の相場
| 項目 | 認可保育園 | 認可外保育園 |
|---|---|---|
| 初年度月給 | 20~22万円 | 18~20万円 |
| 5年目月給 | 23~25万円 | 20~23万円 |
| 10年目月給 | 26~30万円 | 22~26万円 |
| 平均月給 | 約24万円 | 約21万円 |
ボーナス
| 項目 | 認可保育園 | 認可外保育園 |
|---|---|---|
| ボーナス | 3~4ヶ月分(年2回) | 0~2ヶ月分(施設による) |
| 年間ボーナス | 約60~80万円 | 0~40万円 |
福利厚生
| 項目 | 認可保育園 | 認可外保育園 |
|---|---|---|
| 社会保険 | 完備 | 施設による |
| 有給休暇 | 10日~ | 5~10日(施設による) |
| 退職金制度 | あり | なし(施設による) |
| 研修制度 | 充実 | 施設による |
年収比較
- 認可保育園: 約290~360万円
- 認可外保育園: 約250~310万円
給料の違いのポイント:
- 認可保育園は、国の予算配分により、給料が比較的安定している
- 認可外保育園は、施設の経営状況に大きく左右される
- 認可保育園の方が、平均月給で3~5万円高い傾向
職場環境・働き方の違い
残業・持ち帰り業務
| 項目 | 認可保育園 | 認可外保育園 |
|---|---|---|
| 平均残業時間 | 10~15時間/月 | 5~10時間/月 |
| 持ち帰り業務 | あり(書類作成など) | 少ない傾向 |
| 休日出勤 | あり(行事準備など) | 少ない傾向 |
人間関係
認可保育園:
- 職員数が多い(20~50名程度)
- 階層的な組織構造
- 職員間の関係が形式的になることもある
認可外保育園:
- 職員数が少ない(5~15名程度)
- フラットな組織構造
- 職員間の関係が密接
研修制度
| 項目 | 認可保育園 | 認可外保育園 |
|---|---|---|
| 研修の充実度 | 充実 | 施設による |
| 外部研修への参加 | サポートあり | 施設による |
| スキルアップの機会 | 多い | 施設による |
認可保育園で働くメリット・デメリット
メリット
1. 給料が比較的高い
- 国の予算配分により、給料が安定している
- ボーナスが充実している
2. 福利厚生が充実
- 社会保険が完備
- 有給休暇が取りやすい
- 退職金制度がある
3. 研修制度が充実
- 外部研修への参加がサポートされる
- スキルアップの機会が多い
- キャリアアップが明確
4. 安定性が高い
- 国の基準に基づいた運営
- 経営が安定している傾向
- 長期的なキャリア形成が可能
5. 保育の質が保証される
- 国の基準に基づいた保育
- 職員配置基準が厳格
- 子どもの発達が体系的に支援される
デメリット
1. 書類作成が多い
- 国の基準に基づいた書類が必要
- 保育記録の作成に時間がかかる
- 持ち帰り業務が発生することもある
2. 入園選考が厳しい
- 待機児童が多い
- 入園できない子どもも多い
- 保護者からのプレッシャーがある
3. 組織が大きい
- 職員間の関係が形式的になることもある
- 意思決定に時間がかかる
- 個人の意見が反映されにくい
4. 保育の自由度が低い
- 国の基準に基づいた保育が必須
- 独自の教育方針を実現しにくい
- 創意工夫の余地が限定される
認可外保育園で働くメリット・デメリット
メリット
1. 保育の自由度が高い
- 施設独自の教育方針を実現できる
- 創意工夫の余地が大きい
- 自分の保育観を活かしやすい
2. 人間関係が密接
- 職員数が少ない
- コミュニケーションが取りやすい
- チームワークが強い
3. 書類作成が少ない
- 国の基準がないため、書類が少ない傾向
- 持ち帰り業務が少ない
- 残業が少ない傾向
4. 保護者との関係が密接
- 小規模施設が多い
- 保護者との信頼関係が築きやすい
- 子どもの成長を直接感じられる
5. 柔軟な対応が可能
- 保護者のニーズに応じた対応
- 子どもの個性に応じた保育
- 施設の方針に基づいた運営
デメリット
1. 給料が低い傾向
- 施設の経営状況に左右される
- ボーナスが少ないか、ない施設も多い
- 年収が認可保育園より低い傾向
2. 福利厚生が不充実
- 社会保険が完備されていない施設もある
- 有給休暇が少ない傾向
- 退職金制度がない施設が多い
3. 研修制度が不充実
- 外部研修への参加がサポートされない施設も多い
- スキルアップの機会が限定される
- キャリアアップが明確でない
4. 経営が不安定
- 施設の経営状況に左右される
- 閉園のリスクがある
- 長期的なキャリア形成が難しい
5. 保育の質が保証されない
- 国の基準がない
- 職員配置基準が施設による
- 保育の質にばらつきがある

キャリアアップの可能性
認可保育園でのキャリアパス
| 段階 | 職位 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1段階 | 保育士 | 基本的な保育業務を担当 |
| 2段階 | 主任保育士 | 複数クラスの管理、職員指導 |
| 3段階 | 園長補佐 | 園全体の運営サポート |
| 4段階 | 園長 | 園全体の運営・経営 |
昇進のポイント:
- 経験年数が重視される
- 資格取得(認定保育士、幼保連携型認定こども園教諭など)が有利
- 管理職試験に合格する必要がある場合もある
認可外保育園でのキャリアパス
| 段階 | 職位 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1段階 | 保育士 | 基本的な保育業務を担当 |
| 2段階 | リーダー保育士 | 複数クラスのサポート |
| 3段階 | 施設長 | 施設全体の運営 |
昇進のポイント:
- 施設の規模が小さいため、昇進機会が限定される
- 経営者との関係が重要
- 資格取得の機会が限定される傾向
ブランク復職を検討している保育士へ
ブランク復職のポイント
認可保育園でのブランク復職:
- 最新の保育指針や保育方法を学び直す必要がある
- 書類作成のスキルが求められる
- 研修制度が充実している施設が多い
認可外保育園でのブランク復職:
- 施設の方針に合わせた保育を学ぶ必要がある
- 書類作成が少ないため、スキルの習得が容易
- 研修制度が施設による
ブランク復職に適した施設の選び方
1. 研修制度が充実しているか
- ブランク期間のスキルロスをカバーできるか確認
2. 職場の雰囲気は良好か
- 同じようなブランク復職者がいるか
- 先輩職員がサポートしてくれるか
3. 勤務形態は柔軟か
- 短時間勤務や派遣という選択肢があるか
- 段階的に復職できるか
4. 給料・待遇は適切か
- ブランク期間を考慮した給料設定か
- 福利厚生は充実しているか

ブレイブを通じて働く保育士の声
事例1:認可保育園から認可外保育園への転職で給料アップを実現
プロフィール: 38歳、保育士歴12年
転職前の状況:
「認可保育園で12年働きましたが、給料が上がらず、やりがいを感じられなくなっていました。書類作成も多く、持ち帰り業務が増えていました。」
転職後の変化:
「給料が月5万円上がり、年収で60万円増えました。書類作成も少なく、自分の保育観を活かした保育ができるようになりました。今は、子どもたちの成長を直接感じられて、やりがいを感じています。」
事例2:ブランク5年から認可保育園への復職に成功
プロフィール: 42歳、ブランク5年
転職前の状況:
「子育てのため5年間、保育の現場を離れていました。復職に不安を感じていましたが、子どもたちのために、もう一度保育の仕事をしたいと思いました。」
転職後の変化:
「研修のおかげで、スムーズに復職できました。職場の先輩たちも、ブランク期間を理解してくれて、丁寧にサポートしてくれました。今は、充実した毎日を過ごしています。」
事例3:保育補助から派遣保育士へのキャリアアップ
プロフィール: 28歳、保育補助歴3年
転職前の状況:
「保育補助として3年働き、保育士資格を取得しました。今後のキャリアについて悩んでいました。給料を上げたいし、複数の施設で経験を積みたいと思っていました。」
転職後の変化:
「派遣保育士として、異なる施設で働くことで、多くのスキルを習得できました。給料も月3万円上がり、様々な保育方法を学ぶことができました。今は、自分の適性に合った施設を見つけるために、複数の施設で働いています。」
よくある質問(FAQ)
Q1. 認可保育園と認可外保育園、どちらが給料が高いですか?
A. 一般的に、認可保育園の方が給料が高い傾向があります。月給で3~5万円、年収で30~60万円程度、認可保育園の方が高いです。ただし、施設によって大きく異なるため、求人情報で確認することが重要です。
Q2. ブランク復職は、認可保育園と認可外保育園のどちらが適していますか?
A. ブランク復職には、研修制度が充実している認可保育園が適しています。ただし、書類作成が少ない認可外保育園を選ぶことで、スキルの習得を容易にすることもできます。自分の状況に合わせて選択することが重要です。
Q3. 認可外保育園で働くことのリスクは何ですか?
A. 主なリスクは、給料が低い傾向、福利厚生が不充実、経営が不安定な可能性があることです。ただし、施設によって大きく異なるため、求人情報や面接で確認することが重要です。
Q4. 派遣保育士として働くメリットは何ですか?
A. 派遣保育士のメリットは、複数の施設での経験を積むことができる、勤務形態が柔軟、ブランク復職のサポートが充実していることです。
Q5. 認可保育園から認可外保育園への転職は、後悔しないですか?
A. 給料が下がる可能性があるため、事前に十分な情報収集が必要です。ただし、自由度の高い保育ができるなど、メリットもあります。自分の優先順位を明確にして、判断することが重要です。
Q6. キャリアアップを目指す場合、どちらが適していますか?
A. 昇進機会が多い認可保育園の方が、キャリアアップに適しています。ただし、認可外保育園でも、施設によっては昇進の機会があります。施設の規模や方針を確認することが重要です。
Q7. 職場の人間関係は、認可保育園と認可外保育園でどう違いますか?
A. 認可保育園は職員数が多く、関係が形式的になることもあります。認可外保育園は職員数が少なく、人間関係が密接です。自分の適性に合わせて選択することが重要です。
関連リンク
- 保育所保育指針解説(こども家庭庁)
- 幼児教育・保育の無償化について(厚生労働省)
- ハロー ミライの保育士(厚生労働省)
- 一般社団法人 全国保育士養成協議会
- マイナビグループのブレイブ保育士専門サイト
まとめ
認可保育園と認可外保育園には、仕事内容、給料、職場環境、キャリアアップの可能性など、多くの違いがあります。
認可保育園は、給料が高く、福利厚生が充実し、キャリアアップの機会が多い反面、書類作成が多く、保育の自由度が低い傾向があります。
認可外保育園は、保育の自由度が高く、人間関係が密接で、書類作成が少ない反面、給料が低く、福利厚生が不充実な傾向があります。
自分のライフスタイル、優先順位、キャリア目標を明確にして、どちらの施設で働くべきかを判断することが重要です。ブランク復職を検討している方や、キャリアアップを目指す方は、派遣会社を活用することで、自分に合った職場を見つけることができます。
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執筆・監修
ブレイブ コラム編集室
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