介護職はやりがいのある仕事である一方で、「思ったより大変だった」「この先も続けられるか不安」と感じる人が少なくありません。特に未経験で入職した人ほど、仕事を覚える大変さや人間関係、体力面の負担に直面しやすく、数か月から数年の間に悩みが大きく変わっていきます。
ただし、介護職は必ずしも「きついから続かない仕事」ではありません。長く働いている人には、無理を抱え込まない考え方や、自分に合う働き方の選び方、ストレスをため込みにくい工夫があります。また、働きやすい職場には、研修制度や相談体制、休暇の取りやすさなどの共通点もあります。
この記事では、介護職で長く働くコツをテーマに、未経験から3年目までに感じやすい現実、介護を続ける方法、介護職に向いてる人の特徴、ストレス対策まで整理して解説します。今の働き方に不安がある人も、これから介護職を目指す人も、現実的なヒントとして役立ててください。
介護職で長く働くことは本当にできる?
介護職に対しては、「人手不足で大変そう」「体力的にも精神的にもきつそう」といったイメージを持つ人が多いかもしれません。確かに、介護の仕事には身体介助、夜勤、感情労働、人間関係など、負担になりやすい要素があります。しかし一方で、自分に合う職場や働き方を見つけ、長く安定して働いている人がいるのも事実です。
大切なのは、介護職が向いているか向いていないかを最初から決めつけることではなく、どのような環境なら続けやすいかを見極めることです。厚生労働省でも、介護職員が働きやすい職場づくりとして、待遇改善、人材育成、生産性向上の取り組みが重視されています。つまり、長く働けるかどうかは個人の根性だけではなく、職場環境の影響も大きいということです。
そのため、介護職で長く働くコツを考えるときは、自分の努力だけでなく、今の職場や働き方が自分に合っているかをあわせて見直す必要があります。
未経験から3年目までに感じやすい現実
介護職の悩みは、経験年数によって変わっていきます。今のつらさが自分だけの問題のように感じることもありますが、多くの場合はその時期特有の壁にぶつかっているだけです。まずは、自分がどの段階にいるのかを整理してみましょう。
| 時期 | 感じやすい現実 | 意識したい対策 |
|---|---|---|
| 未経験〜1年目 | 仕事量の多さ、介助への不安、理想と現実のギャップを感じやすい | 一人で抱え込まず、基本業務を一つずつ覚える |
| 1〜2年目 | 仕事には慣れるが、人間関係や期待値の上昇で悩みやすい | 相談の質を上げ、働き方や得意分野を見直す |
| 2〜3年目 | 後輩指導や責任の増加で、精神的な負担が大きくなりやすい | 完璧を求めすぎず、役割分担と休み方を整える |
未経験〜1年目は理想と現実のギャップを感じやすい
未経験で介護職に入ると、利用者に寄り添う仕事というイメージと、実際の業務量の多さとのギャップに驚くことがあります。入浴、排泄、移乗などの身体介助に加えて、記録、申し送り、清掃、見守りなど覚えることが多く、最初のうちは余裕がなくて当然です。ここで「自分は向いていないのでは」と感じやすいのですが、実際には多くの人が通る段階です。
この時期は、すべてを完璧にこなそうとするより、まずは安全に基本業務を行えるようになることが大切です。分からないことを早めに聞く姿勢や、メモを取りながら覚える習慣が、長く続ける土台になります。
1〜2年目は仕事を覚える負荷と人間関係が重なりやすい
1年ほど経つと、仕事の流れは分かってきますが、その分だけ周囲から求められることも増えていきます。新人扱いではなくなる一方で、まだ十分に自信がついていないため、先輩や同僚との温度差に悩む人も少なくありません。特に、忙しい職場では、教えてもらえる余裕が少なく、人間関係のストレスが表面化しやすくなります。
この時期は、ただ我慢するのではなく、相談の仕方を工夫することが重要です。漠然と「つらい」と伝えるよりも、「夜勤後に疲労が強い」「申し送りで自信がない」「この利用者対応で迷っている」と具体的に共有したほうが、周囲も支援しやすくなります。
2〜3年目は責任の増加で悩みが変わる
2〜3年目になると、後輩に教える場面が出てきたり、任される業務の幅が広がったりして、悩みの種類が変わります。以前は自分が教わる側だったのに、今度は周囲を見ながら動くことが求められ、精神的な負担を感じやすくなります。ここで頑張りすぎると、責任感の強い人ほど疲れをため込みやすくなります。
この段階では、自分一人で支えようとせず、役割分担を意識することが大切です。介護職で長く働くには、責任感を持つことと、抱え込みすぎないことの両立が必要です。

介護職で長く働くコツ
介護職を長く続ける人には、共通する工夫があります。ここでは、無理なく続けやすくするための基本的なコツを紹介します。
一人で抱え込まない
介護職では、利用者の状態変化や家族対応、夜勤の不安、人間関係など、悩みの種類が多岐にわたります。それを一人で抱え込むと、心身の負担が大きくなりやすく、離職につながることもあります。長く働く人ほど、困ったときに早めに相談し、周囲を頼ることが上手です。
特に、ミスをしたときや判断に迷ったときほど、早く共有することが大切です。相談することは弱さではなく、安全に働くための力だと考えるようにしましょう。
自分に合う働き方を選ぶ
介護職の働き方は、正社員だけではありません。日勤中心、夜勤あり、派遣、パート、訪問介護、入所施設など、働く場所や雇用形態によって負担の出方は大きく変わります。夜勤が負担なら日勤中心の職場を選ぶ、体力面に不安があるなら業務内容を見直すなど、長く働くには自分に合う働き方を探す視点が欠かせません。
今の職場でつらさを感じている場合でも、介護職そのものが合わないとは限りません。職場や働き方が合っていないだけということも十分にあります。
完璧を求めすぎない
介護の仕事は、正解が一つではない場面が多くあります。すべての利用者に毎回完璧な対応をしようとすると、まじめな人ほど消耗しやすくなります。長く続けるためには、できなかったことだけを見るのではなく、今日できたことにも目を向けることが大切です。
特に、経験が浅いうちは「迷いながら覚える」のが自然です。自分に厳しすぎる状態が続いているなら、基準を少し緩めることも必要です。
学び続けて自信をつける
介護職で長く働く人は、ただ我慢しているのではなく、少しずつ自分の得意分野や自信を増やしています。研修や資格取得、先輩の対応の観察、記録の振り返りなどを通じて、「前よりできることが増えた」と感じられると、仕事のしんどさだけでなくやりがいも見えやすくなります。
スキルアップの具体的な方法を知りたい場合は、関連する介護士としてスキルアップをするためにするべきこととはも参考になります。
心身の不調を放置しない
介護職のストレス対策で最も大切なのは、限界まで我慢しないことです。疲れていても無理に出勤を続けたり、眠れない、食欲がない、涙が出るといった変化を軽く見たりすると、回復に時間がかかることがあります。長く働くためには、頑張り続ける力ではなく、休む判断をする力も必要です。
介護職に向いてる人の特徴
介護職に向いてる人と聞くと、特別に優しい人や、体力がある人をイメージするかもしれません。しかし、実際には一つの性格だけで決まるわけではありません。長く働きやすい人には、次のような特徴があります。
| 特徴 | 介護現場で活きる理由 |
|---|---|
| 相手の立場で考えられる | 利用者や家族の不安をくみ取りやすく、信頼関係を築きやすい |
| 小さな変化に気づける | 体調や気分の変化を早めに察知しやすい |
| 協調性がある | チームで動く仕事と相性がよく、周囲と連携しやすい |
| 気持ちの切り替えができる | つらい場面があっても引きずりすぎず、働き続けやすい |
| 学ぶ姿勢がある | 経験を通じて成長しやすく、仕事への自信につながる |
ただし、これらを最初から完璧に備えている必要はありません。介護職に向いてる人の特徴の多くは、働きながら少しずつ身についていくものです。今の自分に足りないと感じる部分があっても、それだけで向いていないとは言えません。
介護職のストレス対策
介護職で長く働くためには、ストレスの原因を曖昧にせず、対策を分けて考えることが大切です。同じ「つらい」でも、体力面なのか、人間関係なのか、感情面なのかによって、取るべき対処は変わります。
| ストレスの原因 | 起こりやすい状況 | 対策の方向性 |
|---|---|---|
| 身体的負担 | 移乗介助、夜勤、慢性的な疲労 | 介助方法の見直し、休息確保、働き方の調整 |
| 感情的負担 | 利用者対応、看取り、家族対応 | 一人で抱え込まず、振り返りや共有の機会を持つ |
| 人間関係 | 指導方法の違い、忙しさによる摩擦 | 相談先を確保し、関係性だけで判断せず環境を見直す |
| 役割の重さ | 後輩指導、責任の増加、期待へのプレッシャー | 役割分担を明確にし、完璧主義を緩める |
ストレス対策として特に意識したいのは、仕事と自分の境界線を持つことです。利用者に真剣に向き合うことは大切ですが、すべてを自分一人の責任だと抱え込みすぎると、気持ちが持たなくなります。業務の中でつらさを感じたら、同僚や上司に共有する、休みの日は仕事から意識的に離れる、必要に応じて勤務形態を見直すといった行動が有効です。
人間関係に悩みやすい人は、関連する介護職の派遣先での人間関係構築ガイドのようなテーマもあわせて確認すると、対処の視点が広がります。

長く働きやすい職場の見分け方
介護職を続けるうえでは、自分の努力だけでなく、職場選びも非常に重要です。長く働きやすい職場には、共通する特徴があります。
| 確認したい点 | 見ておきたい内容 |
|---|---|
| 研修制度 | 入職後の教育やOJTが整っているか |
| 相談体制 | 困ったときに相談しやすい雰囲気や担当者がいるか |
| シフトと休暇 | 希望休の取りやすさや夜勤負担の偏りがないか |
| キャリアパス | 資格取得支援や将来の役割が見えやすいか |
| 業務負担軽減の工夫 | 記録方法や介護機器など、負担を減らす工夫があるか |
厚生労働省でも、働きやすい職場づくりとして、待遇改善、人材育成、生産性向上が重視されています。つまり、長く働きたいなら、「気合いで頑張れる職場」ではなく、「続けられる仕組みがある職場」を選ぶことが大切です。
もし今の職場でつらさが強いなら、介護職そのものを諦める前に、職場環境を見直してみるのも一つの方法です。未経験から介護職を始める働き方や、資格取得を踏まえた働き方を知りたい場合は、初任者研修で始める介護派遣の働き方のような関連テーマも参考になります。
介護職で長く働くことに関するよくある質問
介護職が向いていないと感じたら、すぐ辞めるべきですか?
すぐに介護職全体を諦める必要はありません。仕事の内容そのものが合わない場合もありますが、職場の人間関係やシフト、教育体制が合っていないだけということもあります。まずは、何がつらいのかを分けて考えることが大切です。
未経験でも介護職を長く続けることはできますか?
できます。未経験のうちは大変ですが、最初から完璧を求めず、基本業務を一つずつ覚え、相談できる環境を活用できれば、十分に長く働けます。未経験者ほど、教育体制の整った職場を選ぶことが重要です。
介護職のストレスが強いとき、転職を考える目安はありますか?
眠れない、食欲がない、出勤前につらさが強い、休日にも気持ちが回復しないといった状態が続くなら、早めに相談や環境見直しを考えたほうがよいでしょう。職場内で改善が難しい場合は、働き方を変えることも選択肢です。
派遣やパートの働き方は、長く続けるうえで有効ですか?
はい、有効な場合があります。勤務日数や業務範囲を調整しやすいため、生活との両立や体力面の不安がある人には合いやすいことがあります。長く働くためには、正社員にこだわるのではなく、自分に無理のない働き方を選ぶことも大切です。
まとめ
介護職で長く働くコツは、我慢し続けることではありません。未経験から3年目までの時期ごとに悩みは変わりますが、一人で抱え込まないこと、自分に合う働き方を選ぶこと、完璧を求めすぎないこと、そして心身の不調を放置しないことが、長く続けるための土台になります。
また、介護職に向いてる人の特徴は、最初から備わった性格だけで決まるものではなく、働く中で育っていく面も大きいものです。今つらさを感じていても、職場や働き方を見直すことで、無理なく続けられる可能性は十分にあります。自分に合う環境を見つけながら、長く安心して働ける道を探していきましょう。
参考情報
・厚生労働省「介護職員の働きやすい職場づくり内閣総理大臣表彰及び厚生労働大臣表彰」
・介護士としてスキルアップをするためにするべきこととは
・介護職への転職後のキャリアパスと将来性|資格取得で年収アップを実現
・ブレイブの介護士派遣はココが違う!登録前に知りたい7つの手厚いサポート体制を徹底解説
執筆・監修
ブレイブ コラム編集室
介護・保育を中心に、「はたらく人」と「支える現場」に役立つ情報をわかりやすく発信しています。派遣・転職を検討する方が安心して一歩を踏み出せるよう、現場の声や最新動向をもとに実務的なコラムをお届けしています。
ブレイブとは?
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