介護老人保健施設(老健)の仕事内容とは?特養との違いから給料、1日の流れまで徹底解説

介護職の基礎知識

「老健と特養ってどう違うの?」「医療ケアが多くて大変そう…」介護老人保健施設(老健)への転職を考えたとき、こうした疑問や不安が浮かびますよね。

この記事では、そんなあなたの悩みを解決します。

老健ならではの具体的な仕事内容から、1日の流れ、そして最も気になる給料事情や特養との決定的な違いまで、現場のリアルを徹底解説します。

さらに、医師や看護師、リハビリ専門職との多職種連携の実態、そして「在宅復帰」という明確なゴールに向けて働く喜びについても、ブレイブ登録者のリアルな声を交えながら紹介します。この記事を読めば、老健があなたにとって最適な職場かどうかを判断でき、自信を持って新たな一歩を踏み出せるようになります。

介護老人保健施設(老健)とは?在宅復帰を目指す中間施設としての役割

介護老人保健施設(老健)は、病院と自宅の中間に位置する施設です。入院していた利用者様が、自宅に帰るための準備期間を支援する場所と考えてください。特養が「終身利用」を前提とした「終の棲家」であるのに対し、老健は「在宅復帰」を目指す「中間施設」という位置づけです。この違いが、働き方にも大きく影響します。

老健では、医師やリハビリ専門職と連携しながら、利用者様の「家に帰る」という目標に向けてチームで支援します。そのため、介護士には医療知識やリハビリの基礎知識が求められることが、他の介護施設との大きな違いです。

① 老健と特養の徹底比較表

老健と特養の最大の違いは、「目的」と「期間」です。以下の表を見ると、その違いが一目瞭然です。

項目老健(介護老人保健施設)特養(特別養護老人ホーム)
目的在宅復帰を目指す「中間施設」生活生活する終身施設
入所期間平均3ヶ月(自宅)長期・終身
医療体制医師常駐・医療ケア充実医療ケアは限定的
リハビリリハビリが中心的役割日常生活支援が中心
介護士の仕事内容リハビリ補助、医療ケア補助が多い日常生活支援(食事、排泄、入浴)が中心
給料相場月給25~28万円月給23~26万円
向いている人医療知識を学びたい人、変化を求める人利用者に寄り添いたい人、安定志向の人

表からも分かるように、老健は特養よりも医療ケアが充実しており、介護士の給与も比較的高い傾向にあります。この差は、医療知識を身につけることで、キャリアの選択肢が広がることを意味しています。

老健の介護士の具体的な業務内容

老健での介護士の仕事は、大きく以下の3つに分かれます。

1. 日常生活支援(食事、排泄、入浴、整容)

特養と同様に、利用者様の日常生活をサポートする業務が基本となります。食事の介助、排泄の介助、入浴の介助、整容(顔洗い、歯磨き、髪梳き)など、生活に必要な介護を行います。

2. リハビリ補助(リハビリ専門職のサポート、利用者様の移動援助)

老健で働く大きな特徴は、リハビリ補助業務です。理学療法士や作業療法士といったリハビリ専門職と連携しながら、利用者様の回復を支援します。例えば、リハビリ中の利用者様の移動をサポートしたり、リハビリ後の様子を観察したりと、在宅復帰に向けた重要な役割を担います。

【ブレイブ登録者の声】在宅復帰を支援するやりがい

「以前は特養で働いていましたが、老健の『家に帰る』という明確な目標に惹かれて転職しました。利用者様が日に日に回復し、ご家族の元へ帰っていく姿を見送るのは、何物にも代えがたい喜びです。ブレイブの担当者さんが、私のこの想いを理解してくれて、ぴったりの施設を紹介してくれました。」

(元特養勤務・30代・女性)

3. 医療ケア補助(検温、処置補助、医師・看護師のサポート)

老健では、医師が常駐しており、医療的なケアが充実しています。介護士は、看護師の指示の下で、利用者様の体温測定、処置の補助、医師や看護師のサポートなど、医療に関連した業務を行います。これは特養ではあまり経験できない業務であり、医療知識を深めるチャンスです。

両手を握り合う女性

医師・看護師・リハビリ職との多職種連携

老健では、医師、看護師、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)、栄養士、ケアマネジャーなど、多くの職種がチームになって利用者様をサポートします。介護士は、このチームの一員として、利用者様の日常生活の中で得た情報を医師や看護師に報告し、その指示に基づいて介護を行います。

つまり、介護士は「現場の最前線で、利用者様の状態を最も詳しく把握している専門職」として、医療チームから信頼される存在なのです。

【ブレイブ登録者の声】チームで働く魅力

「老健は医師やリハビリ専門職との距離が近く、チームでケアにあたる実感があります。カンファレンスで意見を求められることも多く、介護士としての専門性が高められていると感じます。ブレイブさんには、こうしたチーム医療を重視する施設を探していることを伝え、希望通りの職場を見つけてもらえました。」

(介護福祉士・40代・男性)

【日勤・夜勤別】老健介護職員の1日の流れ

老健での働き方をイメージしやすくするために、日勤と夜勤それぞれの標準的なタイムスケジュールを表で見てみましょう。

② 日勤・夜勤のタイムスケジュール表

【日勤スケジュール例(8:30~17:30)】

時間業務内容備考
8:30出勤・申し送り前日の夜勤者から情報を受け取る
9:00朝食介助食事提供量や嚥下状態を観察
9:30入浴介助利用者様の身体状態を確認
10:30リハビリ補助リハビリ中と終了後の利用者様をサポート
12:00昼食介助・記録・休憩食事の準備と片付け
14:00排泄介助・清潔ケア定期的なトイレ誘導
15:00医療ケア補助看護師のサポート(検温、処置補助など)
16:00夕食準備・介助食事の準備と介助
17:00申し送り・記録夜勤者へ日中の様子を詳細に報告
17:30退勤

【夜勤スケジュール例(16:30~翌9:00)】

時間業務内容備考
16:30出勤・申し送り日勤者から情報を受け取る
17:00夕食介助食事提供量と嚥下状態を確認
18:00入浴介助利用者様の身体状態を確認
19:00就寝準備衣類の着脱、トイレ誘導
20:00夜間巡回利用者様の様子を定期的に確認
22:00仮眠(交代制)2~3時間程度
0:00夜間巡回・排泄介助定期的な巡回と必要に応じた介助
3:00夜間巡回・記録利用者様の様子を記録
6:00朝食準備朝食の準備開始
7:00朝食介助食事提供量を確認
8:00整容・排泄介助朝の支度をサポート
9:00中し送り・退勤日勤者へ夜間の様子を詳細に報告

上のスケジュールから分かるように、老健での仕事は、利用者様の生活リズムに合わせた、メリハリのある業務が特徴です。朝から夜まで、常に利用者様の回復を支えるための工夫が詰まっています。

老健の介護士の給料・年収

老健での給料は、介護業界の中でも比較的高い水準にあります。以下の表を見てください。

③ 給与相場比較表

施設形態平均月給年収(12ヶ月+賞与)夜勤手当(1回)年間夜勤回数
老健27万円約370万円1.5~2万円約72回
特養25万円約340万円1.2~1.5万円約72回
有料老人ホーム23万円約310万円1~1.3万円約72回
デイサービス21万円約280万円なし0回

老健の給料が高い理由は、医療知識が必要であること、そして夜勤手当が高いことです。月4~5回の夜勤で、月給に1.5万~2万円の手当が加算されるため、年収では特養より約30万円高くなります。

老人の手を握る女性

老健で働くメリット・デメリット

老健で働くことの現実的なメリットとデメリットを、バランスよく紹介します。

④ メリット・デメリット比較表

項目メリットデメリット
やりがい利用者様の回復・在宅復帰を直接支援できる短期間で利用者が変わるため、関係構築が浅くなる場合も
スキル習得医療知識・リハビリ知識が身につく医療ケアの学習負担が大きい
職場環境医師・看護師・リハビリ職との連携で、調整業務が増える多職種連携のため、調整業務が増える
給料特養より給料が高い傾向夜勤が少ない環境では、体力的な負担が大きい
働き方日勤・夜勤の選択肢がある夜勤の回数が多い(月4~5回程度)
キャリア医療知識が身についため、他職種への転職も視野に入る医療ケアの知識がないと、最初は大変
人間関係利用者様の回復を一緒に喜べる、やりがいのある職場短期間で利用者が変わるため、精神的な負担も

老健は「やりがい」と「給料」のバランスが取れた職場です。一方で、医療知識の習得や、短期間での利用者の入れ替わりに対応する必要があります。

医療知識が必要な分、給与が高く、キャリアの選択肢が広がる

老健で働く最大のメリットは、医療知識を身につけることで、将来のキャリアの選択肢が大きく広がることです。介護福祉士の資格に加えて、医療的知識を持つ介護職は、ケアマネジャーや生活相談員、さらには他の医療施設への転職も視野に入れることができます。

在宅復帰という明確なゴールに向けて働く喜び

特養では「その人らしい生活を支える」ことが目的ですが、老健では「自宅に帰す」という明確なゴールがあります。利用者様が日に日に回復し、ご家族の元へ帰っていく姿を見送るのは、介護職として何物にも代えがたい喜びです。

【ブレイブ登録者の声】家庭と仕事のバランスを取りながら無理なく働いている

「子育てと両立しながら働いていたので、夜勤の回数や残業時間が気になっていました。ブレイブのコンサルタントに相談したところ、こちらの希望を丁寧にヒアリングしてくれて、残業がほとんどなく、子育てに理解のある老健を紹介してもらえました。おかげで、家庭と仕事のバランスを取りながら、無理なく働いています。」

(主婦・30代・女性)

あなたはどっち?老健が向いている人と特養が向いている人

医療知識を学びたい・変化のある環境で働きたい人は「老健」

老健に向いているのは、医療知識を深めたい方や、リハビリによる回復過程を支えたい方です。利用者様の入れ替わりが比較的早いため、変化のある環境でテキパキと働きたい、在宅復帰という明確なゴールに向けて支援したいという方に適しています。

利用者に長く寄り添いたい・安定志向の人は「特養」

一方で、じっくりと入居者に関わりたい方や、介護技術をしっかり身につけたい方には特養が向いています。「その人らしさ」を大切にするケアを実践したい、あるいは安定した経営環境で長く働き続けたいと考えるなら、特養が最適でしょう。

未経験・無資格から老健へ就職するためのポイント

介護未経験や無資格から老健に挑戦する場合、まずは教育体制が整っているかを確認しましょう。医療知識が必要なため、プリセプター制度(先輩がマンツーマンで指導する制度)や資格取得支援制度がある施設なら、安心してステップアップできます。

また、いきなり正社員になるのが不安な場合は、派遣社員として働き始め、職場の雰囲気や業務内容を確かめてから直接雇用を目指す「紹介予定派遣」を利用するのも賢い選択肢です。ブレイブなどの派遣会社を活用すれば、自分に合った施設かどうかをプロに相談しながら探すことができます。

【ブレイブ登録者の声】未経験からの挑戦で、研修制度がしっかりしていた

「全くの未経験で、医療知識もなく、老健への就職は不安だらけでした。でも、ブレイブの『紹介予定派遣』を利用したのが正解でした。まずは派遣で働きながら、施設の雰囲気や仕事内容をじっくり見極めることができたんです。先輩がマンツーマンで指導してくれる『プリセプター制度』があったおかげで、安心して仕事を覚えられました。3ヶ月後には双方合意の上で正社員になり、今では介護福祉士の資格取得を目指して頑張っています!」

(元事務職・20代・男性)

まとめ:老健は医療知識とやりがいが魅力!自分に合う施設を選ぼう

老健は、利用者様の「家に帰る」という明確なゴールに向けて、医師や看護師、リハビリ専門職と連携しながら働く、やりがいのある職場です。医療知識を深めることで、将来のキャリアの選択肢も広がります。給料も介護業界の中では比較的高く、安定した環境で働くことができます。仕事内容や1日の流れ、特養との違いを理解した上で、あなたの希望に合う施設を選んでみてください。自分にぴったりの環境で、介護職としての充実したキャリアをスタートさせましょう。

よくあるご質問(Q&A)

Q1. 老健の夜勤は月何回くらいありますか?

A1. 施設によって異なりますが、一般的には月に4~6回程度です。夜勤手当は1回あたり1.5万~2万円が相場で、給与を大きく左右する要素になります。面接時に具体的な回数や体制(人数)を確認することをおすすめします。

Q2. 医療知識がないと不安です。研修制度はありますか?

A2. 多くの老健では、未経験者向けの研修制度が充実しています。プリセプター制度(先輩がマンツーマンで指導)や、医療知識の基礎講座などが用意されている施設が多いので、安心して働き始めることができます。

Q3. 利用者が短期間で変わるのは、精神的に大変ですか?

A3. 確かに、利用者様の入れ替わりが早いため、関係構築が浅くなることもあります。しかし、利用者様の回復を支援し、自宅への帰宅を見送るという経験は、何物にも代えがたいやりがいになります。

Q4. 老健と特養、給料以外での大きな違いは何ですか?

A4. 最大の違いは「目的」です。老健は「在宅復帰」を目指す中間施設であり、特養は「終身利用」を前提とした終の棲家です。この違いが、働き方や学べる知識、やりがいの形にも大きく影響します。

Q5. 介護福祉士の資格がないと不利になりますか?

A5. 無資格・未経験からでも働くことは可能ですが、介護福祉士の資格があれば、資格手当が支給されたり、任される業務の幅が広がったりと、多くのメリットがあります。資格取得支援制度がある施設も多いので、働きながらキャリアアップを目指せます。

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執筆・監修

ブレイブ コラム編集室

介護・保育を中心に、「はたらく人」と「支える現場」に役立つ情報をわかりやすく発信しています。派遣・転職を検討する方が安心して一歩を踏み出せるよう、現場の声や最新動向をもとに実務的なコラムをお届けしています。

■ ブレイブとは?

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