最終更新日:2026年11月6日
介護職の給料を見直す方法には、資格・経験を評価する職場を探す、夜勤を含むシフト条件を見直す、役割や雇用形態を比較する、求人票の給与内訳をそろえて比べる、といった選択肢があります。ただし、資格取得や夜勤、転職によって給与が必ず上がるわけではありません。勤務先、地域、雇用形態、勤務日数、手当の条件によって差が出るため、まずは現在の給与の内訳と希望する働き方を整理することが大切です。
厚生労働省の令和6年度調査では、介護職員等処遇改善加算I〜Vを取得(届出)している事業所で働く「月給・常勤」の介護職員の平均給与額は、2024年9月時点で338,200円でした。この数字は個人の月給・年収・手取りを示すものではなく、対象や給与の構成を理解したうえで、求人を比較する際の参考情報として扱いましょう。
この記事の要点 – 給料を比較するときは、月給の額面だけでなく、基本給・手当・一時金、夜勤回数、休日、勤務時間を同じ条件で確認します。 – 資格、夜勤、役割、雇用形態、勤務先の変更は選択肢ですが、増収額や働き方への影響は求人・契約ごとに異なります。 – 処遇改善加算の届出状況は確認材料の一つです。加算の取得だけで個人の支給額を判断せず、配分や給与条件を個別に確認しましょう。
介護職の平均給与額338,200円は何を示す?
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」では、介護職員等処遇改善加算I〜Vを取得(届出)している事業所に在籍する月給・常勤の介護職員について、2024年9月時点の平均給与額を338,200円としています。
この統計は、すべての介護職の収入を表すものではありません。調査対象、雇用形態、勤務時間、地域、夜勤の有無などが異なれば、個人の給与も変わります。統計値を「自分もこの金額になる」と読むのではなく、求人票を見るときに何を分けて比較すべきかを知るための参考にしましょう。
| 確認項目 | 令和6年度調査での扱い |
|---|---|
| 調査時点 | 2024年9月 |
| 対象 | 介護職員等処遇改善加算I〜Vを取得(届出)している事業所の月給・常勤の介護職員 |
| 平均給与額 | 338,200円 |
| 給与額の構成 | 基本給、手当、一時金(賞与等の4〜9月支給額の6分の1) |
| 注意点 | 個人の手取り額、年収、求人票の月給をそのまま示す数値ではない |
同調査で示されている338,200円の内訳は、基本給192,660円、手当97,980円、一時金47,560円です。手当には、処遇改善手当、通勤手当、家族手当、時間外手当などが含まれ得ます。何が含まれるかを確認しないまま、月給だけを比べると働き方の差を見落とすことがあります。
最初に確認したい「今の給与」と「希望条件」
給料を上げたいと考えたときは、先に現在の条件を見える化しましょう。給与明細と雇用契約書、就業規則などを手元に置くと、比較するポイントが整理しやすくなります。
現在の給与明細で見る項目
- 基本給はいくらか
- 毎月固定で支払われる手当と、勤務実績で変動する手当は何か
- 夜勤手当、時間外手当、資格手当、役職手当などの支給条件は何か
- 賞与・一時金の有無、算定方法、支給時期はどうなっているか
- 通勤費、社会保険料などを含めて、月ごとの手取りがどう変わるか

働き方の条件で見る項目
- 雇用形態(正職員、契約職員、パート、派遣など)
- 勤務日数、始業・終業時刻、休憩、残業
- 夜勤の有無、回数、体制、翌日の勤務
- 年間休日、有給休暇、通勤時間
- 仕事内容、役割、研修・資格取得支援
収入だけを目的に働き方を変えると、勤務時間や体力面で負担が大きくなる場合があります。「増やしたい収入」と「維持したい生活条件」を同じ表に書き出し、譲れない条件を先に決めておくことが大切です。
給料を見直す5つの選択肢
ここからは、介護職が給与条件を見直す際に考えられる選択肢を紹介します。どの方法も、実際の支給額や適用条件は勤務先によって異なります。

1. 資格・経験を評価する条件を確認する
介護職員初任者研修、実務者研修、介護福祉士などの資格や、実務経験を評価する求人があります。ただし、資格を取得すれば一律にいくら増えるというものではありません。資格手当の有無・金額、基本給への反映、担当できる役割、昇給の仕組みは事業所ごとに違います。
資格取得を検討する場合は、次の点を確認しましょう。
| 確認したいこと | 具体例 |
|---|---|
| 資格取得支援 | 受講費用の補助、受講日の扱い、利用条件 |
| 資格手当 | 対象資格、支給条件、毎月か一時金か |
| 実務経験の評価 | 経験年数の算定方法、前職経験の扱い |
| キャリアの選択肢 | リーダー、サービス提供責任者などの役割に必要な条件 |
資格そのものだけでなく、取得後にどのような働き方・役割を選べるかを確認すると、長期的な判断につながります。資格の種類や取得方法は、介護資格一覧も参考にしてください。
2. 夜勤・シフトの条件を具体的に比較する
入所系の施設などでは、夜勤や早番・遅番の有無によって給与総額が変わることがあります。夜勤手当は「1回あたりの金額」だけでなく、月の回数、勤務時間、休憩、体制、時間外の扱い、翌日の勤務まで確認することが必要です。
夜勤を検討するときは、収入面に加えて、睡眠、通勤、家庭との両立、体調への影響も見ます。夜勤回数を増やすことが自分に合うとは限りません。無理のない勤務が続けられるかを優先して判断しましょう。
夜勤手当の考え方や求人票の見方は、介護職の夜勤手当はいくら?で詳しく解説しています。
3. 役割・雇用形態・サービス形態を分けて比べる
同じ「介護職」の求人でも、施設・サービス形態、役割、雇用形態によって、勤務時間や手当の構成は変わります。たとえば、夜勤を含む勤務、日中中心の勤務、訪問を伴う勤務、役割を持つ勤務などでは、給与だけでなく業務量や休日の取り方も異なる場合があります。
比較する際は、施設名や職種名だけで「高い・低い」と判断せず、以下をそろえましょう。
- 月給か時給か
- 夜勤・時間外・資格・役職などの手当が含まれているか
- 賞与・一時金の支給条件は何か
- 年間休日、勤務日数、1日の勤務時間はどうか
- 業務範囲、責任、必要な資格・経験は何か
役割を広げることが収入面の選択肢になる場合もありますが、求められる責任や研修の内容も変わります。自分が希望するキャリアと、生活との両立をセットで考えましょう。
4. 処遇改善加算と賃金改善の扱いを確認する
介護職員等処遇改善加算は、介護職員の処遇改善を目的とした加算です。令和6年度の調査では、対象事業所の95.5%が加算を取得(届出)していると回答しています。
一方で、加算を取得しているからといって、すべての職員に同じ金額が支給されるわけではありません。職場や雇用形態、勤務時間、配分方法によって扱いが異なるため、求人比較では次のように確認します。
- 処遇改善に関する手当が給与明細や求人票でどう記載されているか
- 毎月の賃金に含まれるのか、一時金として支給されるのか
- 支給対象・算定条件・見直しの時期はどうなっているか
- 基本給、他の手当、賞与とどう区別されているか
加算の取得状況だけで給与を判断せず、実際に自分へ適用される条件を書面で確認することが大切です。
5. 求人票を同じ前提で比較する
勤務先を変えることは、給与条件を見直す一つの選択肢です。ただし、月給の数字だけを見て比較すると、賞与・夜勤・休日・交通費・勤務時間などの違いを見落とします。
候補を比較する際は、以下の表を使うと便利です。スマートフォンでは横にスクロールして見比べられるよう、WordPress入稿時は横スクロール対応の表として実装します。

| 比較項目 | 現在の職場 | 求人A | 求人B |
|---|---|---|---|
| 雇用形態 | |||
| 基本給・時給 | |||
| 固定手当・変動手当 | |||
| 夜勤・時間外の条件 | |||
| 賞与・一時金 | |||
| 勤務時間・休憩 | |||
| 年間休日・希望休 | |||
| 通勤費・通勤時間 | |||
| 業務内容・配属 | |||
| 研修・資格支援・相談先 |
求人票の見方をさらに確認したい場合は、介護職の求人票の見方も参考にしてください。
給料だけで決めないための質問例
求人に応募する前や担当者に相談する際は、曖昧な条件を具体的にする質問を準備しておくと比較しやすくなります。
- 「月給に含まれている手当と、勤務実績で変動する手当を教えてください」
- 「夜勤を担当する場合、回数・勤務時間・手当・体制はどのようになっていますか」
- 「賞与・一時金の支給条件と、前年の実績の扱いを確認できますか」
- 「資格手当や資格取得支援には、対象条件がありますか」
- 「処遇改善に関する手当は、どのような名称・条件で支給されますか」
- 「業務内容、勤務時間、休日、勤務地の変更範囲はどのように明示されますか」
労働条件は、採用時に示される労働条件通知書等でも確認します。2024年4月以降、募集時等の労働条件明示では、就業場所・業務の変更範囲など追加された事項があります。応募時に聞いた内容と書面の内容に違いがないかを確認してください。
介護職の平均給与額338,200円は年収ですか?
年収ではありません。厚生労働省の令和6年度調査における、一定の加算を取得(届出)している事業所の月給・常勤介護職員の平均給与額です。基本給、手当、一時金の扱いを含む数値であり、個人の月給・手取り・年収とは異なります。
介護福祉士を取れば必ず給料は上がりますか?
資格手当や基本給への反映の有無・金額は勤務先によって異なります。資格取得後の給与条件、役割、昇給の仕組みを、求人票や就業規則、面接で個別に確認しましょう。
夜勤を増やせば収入は増えますか?
夜勤手当の条件により給与総額が変わる場合はありますが、夜勤回数、勤務時間、手当、健康面への影響は職場や個人によって異なります。収入面だけでなく、継続して働けるシフトかを確認することが重要です。
処遇改善加算を取得している事業所なら給料は高いですか?
加算の取得状況は確認材料の一つですが、個人への支給額や配分方法を単独で決めるものではありません。給与明細・求人票での記載、支給条件、雇用形態、勤務時間を含めて確認しましょう。
関連リンク
- 介護職の給料は平均いくら?手取り・施設別・年代別の年収を解説
- 介護職の夜勤手当はいくら?施設別・地域別の相場・計算方法を解説
- 介護資格一覧|種類・難易度・目的別おすすめをわかりやすく解説
- 介護職のキャリアパスとは?昇進・昇給につながる考え方を解説
- 厚生労働省|令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果
まとめ|給与の内訳と働き方をそろえて求人を比較しよう
介護職の給料を見直すときは、資格、夜勤、役割、雇用形態、勤務先の比較といった選択肢があります。大切なのは、どれか一つで収入が必ず増えると考えるのではなく、基本給・手当・一時金、勤務時間、休日、業務内容を同じ前提で並べて確認することです。
勤務地、資格、日勤・夜勤などの希望条件を整理できたら、ブレイブの求人詳細検索で介護職求人を比較してみましょう。求人票だけでは判断しにくい給与・シフト・契約条件は、無料登録後に担当者へ確認する方法もあります。なお、希望条件に合う求人の有無や給与の向上を保証するものではありません。
出典・更新情報
- 厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
- 厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます」
- 最終確認日:2026年10月14日
執筆・監修
ブレイブ コラム編集室
本記事は、医療・福祉業界に特化した人材派遣・紹介サービスを提供する「株式会社ブレイブ」のコラム編集室が執筆・監修しています。現場のリアルな声と最新の業界動向に基づき、介護士・看護師・保育士の皆様のキャリアアップに役立つ情報をお届けします。
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