「介護派遣でも社会保険に入れる?」「週何時間から加入対象になるの?」と、働き始める前に不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
介護派遣で社会保険に加入するかどうかは、派遣先の施設ではなく、雇用契約を結ぶ派遣元での契約条件をもとに確認します。勤務時間、契約期間、派遣元の適用状況などによって判断が変わるため、求人の時給だけで決めず、契約前に確認することが大切です。
この記事では、介護派遣における健康保険・厚生年金保険の基本、雇用保険との違い、派遣元へ確認したい項目をわかりやすく解説します。
この記事の要点
- 介護派遣で健康保険・厚生年金保険に加入する場合は、派遣元の会社で手続きします。
- 加入対象は雇用形態の名称だけでは決まらず、所定労働時間や契約期間などの条件を確認します。
- 2026年10月1日から、短時間労働者に関する月額8.8万円の賃金要件は撤廃されています。
- 健康保険・厚生年金保険と雇用保険は別の制度です。対象条件・通知書・相談先を分けて確認しましょう。
介護派遣の社会保険は、派遣元で加入する
派遣で介護施設や事業所に勤務する場合、日々の業務は派遣先の指揮命令を受けて行います。一方で、雇用契約を結び、給与や保険の手続きを行う相手は派遣元です。
日本年金機構は、加入条件を満たす派遣社員は派遣元の会社で厚生年金保険に加入すると案内しています。また厚生労働省は、派遣労働者であっても労働・社会保険の被保険者要件を満たす場合は加入対象となり、加入の責任は派遣元事業主が負うと示しています。
そのため、「派遣先の施設に社会保険があるか」だけで判断するのではなく、自分と派遣元との雇用契約で、いつからどの保険の対象になるのかを確認しましょう。

ここでいう「社会保険」は健康保険・厚生年金保険
この記事では主に、健康保険と厚生年金保険をまとめて「社会保険」と呼びます。病気やけがの医療費、将来の年金などに関わる制度で、対象になるかどうかは所定労働時間、契約期間、派遣元の事業所の状況などを踏まえて確認します。
一方、雇用保険は失業等給付や育児休業給付などに関わる別の制度です。両方とも「週20時間」が目安として出てくる場合がありますが、要件は同じではありません。混同せず、それぞれの加入条件を確認してください。
介護派遣で社会保険の加入条件を考えるときの基本
社会保険の適用は個別の契約内容で判断されますが、まずは「通常の労働者と比べた所定労働時間・日数」と「短時間労働者に当てはまるか」を確認するのが基本です。
| 確認の入り口 | 考え方 | 派遣元に確認したいこと |
|---|---|---|
| 通常の労働者の4分の3以上で働く予定 | 1週の所定労働時間または1か月の所定労働日数が、通常の労働者の4分の3以上かを確認する | 比較対象となる通常の労働者の勤務時間・日数と、自分の契約条件 |
| 4分の3未満の短時間勤務を予定 | 派遣元の適用状況と、短時間労働者の要件を確認する | 週の所定労働時間、学生に該当するか、契約期間・更新見込み、派遣元の適用状況 |
| 勤務日数・時間が変わる予定 | 契約変更後に条件が変わる可能性がある | 変更の適用日、加入・資格喪失の扱い、保険料や通知書の確認方法 |
日本年金機構の案内では、2026年10月時点で、厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等に勤める短時間労働者について、週の所定労働時間が20時間以上であること、学生でないことなどが加入対象の要件として案内されています。さらに、短時間労働者の月額8.8万円の賃金要件は2026年10月に撤廃されています。
ただし、どの要件で対象になるかは、派遣元との契約、雇用見込み、事業所の状況で異なります。「週20時間だから必ず加入」「時給がいくらだから加入しない」と記事だけで結論づけず、契約前に派遣元へ確認してください。

社会保険はいつから?「働き始めて数か月後」とは限らない
「派遣は社会保険に入るまで数か月待つのでは」と考える方もいますが、加入の時期は一律ではありません。派遣元との雇用契約で定められた勤務時間や期間、更新見込みなどに基づき、被保険者要件を満たすかを確認します。
初回の契約が短期間であっても、更新の見込みを含めた扱いを確認する必要がある場合があります。反対に、就業時間や契約の変更で条件が変わることもあります。勤務開始前または契約更新前に、次の内容を派遣元の担当者へ確認しておきましょう。
- 今回の雇用契約で、健康保険・厚生年金保険の加入対象となるか
- 加入対象となる場合の資格取得日と、保険証等の案内・確認方法
- 短時間勤務や契約更新を予定している場合、どの契約条件で判断するか
- 勤務時間・日数を変更した場合に、いつから扱いが変わる可能性があるか
- 扶養内で働くことを希望する場合に、派遣元以外へ確認すべき窓口があるか
特に扶養に関する扱いは、健康保険の扶養、税制、家族が加入する保険の取り扱いなど、確認先が分かれることがあります。自分の契約条件だけで判断せず、派遣元と必要な窓口に確認してください。
雇用保険との違いも確認しよう
健康保険・厚生年金保険と雇用保険は、目的も加入要件も異なります。社会保険の話をするときは、どの制度を指しているのかを確認しましょう。
| 制度 | 主な役割 | 介護派遣での確認先 |
|---|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険 | 医療費や将来の年金に関わる制度 | 派遣元。所定労働時間・日数、契約期間、適用状況を確認 |
| 雇用保険 | 失業等給付や育児休業給付などに関わる制度 | 派遣元。週の所定労働時間と雇用見込みを確認 |
厚生労働省は、雇用保険について、31日以上引き続き雇用される見込みがあり、週の所定労働時間が20時間以上の場合に被保険者となると案内しています。社会保険と同じ基準だと思い込まず、契約書と派遣元の説明で確認してください。
加入手続きや通知書の扱いに不明点があるときは、まず派遣元の担当者へ聞きましょう。要件を満たしているのに未加入の場合、厚生労働省は派遣元事業主に加入を要請するよう案内しています。

介護派遣の求人を選ぶときは、勤務条件と一緒に確認する
社会保険の加入可否だけで働き方の良し悪しは決まりません。入職後の生活をイメージするために、勤務日数・時間、夜勤、通勤、業務内容、契約更新なども一緒に比較しましょう。
求人票を見るときは、雇用形態、勤務時間、契約期間、更新の可能性、給与・手当の内訳などを確認することが大切です。詳しくは、介護職の求人票の見方も参考にしてください。
週の勤務時間や勤務地、入職時期を比較しながら探したい場合は、介護求人を条件から検索し、気になる求人の契約条件を確認しましょう。ブレイブの介護士向けページでは、仕事内容、勤務時間、就業場所などの条件から働き方を考える案内があります。募集状況・社会保険の適用・その他の待遇は求人や契約条件によって異なるため、個別に確認してください。
よくある質問
介護派遣でも社会保険に加入できますか?
派遣労働者であっても、健康保険・厚生年金保険の被保険者要件を満たす場合は加入対象です。加入手続きは、雇用契約を結ぶ派遣元で行われます。個別の加入可否・時期は、派遣元との契約条件を確認してください。
介護派遣の社会保険はいつから加入しますか?
加入の時期は一律ではありません。派遣元との雇用契約にある所定労働時間、日数、契約期間や更新見込みなどをもとに判断されます。働き始めてから数か月後とは限らないため、契約前に派遣元へ資格取得日を確認しましょう。
週20時間働けば必ず社会保険に入れますか?
週20時間は短時間労働者の要件の一つですが、それだけで一律に加入可否は決まりません。派遣元の適用状況、学生に該当するか、雇用契約の期間なども関係するため、派遣元に確認してください。
社会保険と雇用保険は同じですか?
別の制度です。健康保険・厚生年金保険は医療や年金に、雇用保険は失業等給付や育児休業給付などに関わります。対象要件は同じではないため、それぞれの加入状況を派遣元に確認しましょう。
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- 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大のご案内|日本年金機構
まとめ
介護派遣の社会保険は、派遣先ではなく派遣元で加入する仕組みです。加入可否や加入時期は、所定労働時間・日数、契約期間、派遣元の適用状況などを踏まえて決まるため、求人を見る段階から確認することが大切です。
健康保険・厚生年金保険と雇用保険は別の制度です。加入対象か、いつから対象になるか、どの通知書で確認できるかを、派遣元へ具体的に聞いておきましょう。勤務条件を整理したうえで求人を比較することが、安心して働き始める準備につながります。
執筆・監修
ブレイブ コラム編集室
本記事は、医療・福祉業界に特化した人材派遣・紹介サービスを提供する「株式会社ブレイブ」のコラム編集室が執筆・監修しています。現場のリアルな声と最新の業界動向に基づき、介護士・看護師・保育士の皆様のキャリアアップに役立つ情報をお届けします。
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