ケアマネジャーの資格の取り方と将来性|2027年法改正で何が変わる?

介護職の基礎知識

「ケアマネジャーになりたいけれど、実務経験5年は長すぎる…」
「2027年に受験資格が緩和されるって本当?」
「更新制が廃止されると聞いたけれど、今の資格はどうなるの?」

介護業界でキャリアアップを目指す方にとって、ケアマネジャー(介護支援専門員)は最も目標にされる資格の一つです。しかし、受験資格の厳しさや、5年ごとの更新講習の負担から、取得をためらう方も少なくありません。

実は現在、国会で介護保険制度の抜本的な見直しが進められており、2027年から「受験資格の3年への緩和」や「更新講習の廃止」が予定されています。さらに、2026年からはケアマネジャーも処遇改善加算の対象となり、給料アップが期待されています。

この記事では、現行のケアマネジャーの資格の取り方から、2027年法改正による激変ポイント、そして今後の将来性まで、介護現場のリアルな視点で徹底解説します。

ケアマネジャー(介護支援専門員)とはどんな資格?

ケアマネジャー(正式名称:介護支援専門員)は、介護を必要とする方と、介護サービスを提供する事業所をつなぐ「橋渡し役」を担う専門職です。2000年の介護保険制度導入に伴って創設された、都道府県知事が登録を行う公的資格です。

主な仕事内容は、利用者の心身の状態や生活環境をアセスメントし、最適な介護サービスを組み合わせた「ケアプラン(居宅サービス計画)」を作成することです。また、サービス事業者との連絡調整や、月1回のモニタリング訪問なども行います。

介護現場のリーダー的役割を果たすため、介護・医療・福祉に関する幅広い知識と、深い経験が求められます。

ケアマネジャーになるための受験資格(2026年試験まで)

ケアマネジャー試験(介護支援専門員実務研修受講試験)は、誰でも受けられるわけではありません。現在は以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

ルート①:特定の国家資格に基づく業務経験

以下の国家資格を保有し、その資格に基づく業務の実務経験が通算5年以上、かつ従事日数が900日以上ある方が対象です。

【対象となる主な国家資格】
介護福祉士、看護師、准看護師、社会福祉士、理学療法士、作業療法士、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、言語聴覚士、栄養士(管理栄養士含む)、精神保健福祉士など

ルート②:相談援助業務の経験

国家資格を持っていなくても、生活相談員、支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員として、相談援助業務に通算5年以上、かつ従事日数900日以上従事していれば受験資格が得られます。

保有資格別の「最短取得年数」目安

現在の保有資格ケアマネ受験までの最短ルート最短年数
介護福祉士実務経験5年(900日以上)5年
初任者研修のみ介護福祉士取得(3年)+実務経験5年8年
無資格初任者・実務者研修→介護福祉士(3年)+実務経験5年8年

ケアマネジャー試験の概要と合格率

利用者宅を訪問してケアプランを説明するケアマネジャー

ケアマネジャー試験は、例年10月に各都道府県で実施されます。

試験の基本情報(2026年の例)

  • 試験日:2026年10月11日(日)予定
  • 申込期間:6月上旬〜下旬(都道府県により異なる)
  • 問題数:合計60問(介護支援分野25問+保健医療福祉サービス分野35問)
  • 試験時間:120分
  • 解答方式:五肢複択(5つの選択肢から複数を選ぶマークシート方式)

直近の合格率推移と難易度

ケアマネジャー試験は、介護系資格の中でもトップクラスの難易度を誇ります。

実施年度合格率受験者数合格者数
2025年度(第28回)25.6%50,601人12,961人
2024年度(第27回)32.1%53,699人17,228人
2023年度(第26回)21.0%56,494人11,844人
2022年度(第25回)19.0%54,406人10,328人

合格率が10〜30%台で推移している理由は、「五肢複択」という解答方式の難しさにあります。5つの選択肢から正しいものをすべて選ぶ必要があり、1つでも間違えると得点にならないため、正確で深い知識が求められます。

試験合格後の流れ(実務研修〜資格証交付)

試験に合格しても、すぐにケアマネジャーとして働けるわけではありません。以下のステップを踏む必要があります。

  1. 介護支援専門員実務研修の受講
    合格後、都道府県が実施する実務研修を受講します。講習(87時間以上)と、居宅介護支援事業所での実習(原則3日間)が含まれます。
  2. 資格登録簿への登録申請
    研修修了後、3ヶ月以内に各都道府県の「介護支援専門員資格登録簿」へ登録申請を行います。
  3. 介護支援専門員証の交付
    登録と同時に「介護支援専門員証」の交付申請を行い、証書を受け取ることで、初めてケアマネジャーとして業務に就くことができます。
ケアマネジャー試験合格後の3ステップ(実務研修・登録申請・資格証交付)

【2027年最新】制度改正でケアマネはどう変わる?

現在、ケアマネジャーを目指す方にとって最も重要なのが「制度改正」の動向です。2027年4月に予定されている「第10期介護保険事業計画」のスタートに向け、過去最大級の見直しが進んでいます。

① 受験資格が「5年→3年」へ緩和(2027年試験から適用見込み)

深刻な人材不足と高齢化を背景に、現在「5年(900日)」とされている実務経験要件が、「3年(540日)」に短縮される方針です。さらに、診療放射線技師や公認心理師など、新たに5つの国家資格が受験対象に追加されます。

※注意:2026年(今年)の試験は、現行の「5年ルール」のまま実施されます。

② ケアマネ更新講習の「事実上の廃止」

これまで、ケアマネジャーは5年ごとに多額の費用と時間をかけて「更新講習」を受ける必要があり、これが離職の一因となっていました。今回の改正で、5年ごとの有効期間(更新手続き)が廃止され、資格は「一生モノ」になります

ただし、業務に従事している間は、都道府県が行う「法定研修(毎年7時間程度のオンライン講習)」を受講する義務が新たに設けられます。

③ ケアマネも「処遇改善加算」の対象に(2026年6月〜)

これまでケアマネジャーは処遇改善加算の対象外でしたが、2026年6月の臨時介護報酬改定から、ついに居宅介護支援(ケアマネ)も処遇改善の対象に追加されました。これにより、月額1万円〜1.9万円相当の給料アップが見込まれています。

2027年介護保険法改正によるケアマネジャー制度の2大変更点(受験資格緩和・更新制廃止)

ケアマネジャーの将来性と需要

超高齢社会において、ケアマネジャーの需要は今後も確実に高まり続けます。一方で、現役ケアマネジャーの高齢化が進んでおり、若い世代の担い手が圧倒的に不足しています。

2026年の処遇改善加算の適用や、2027年の更新制廃止など、国も「ケアマネジャーの待遇改善と負担軽減」に本腰を入れ始めました。資格を取得すれば、居宅介護支援事業所だけでなく、地域包括支援センターや施設ケアマネなど、活躍の場は大きく広がります。

体力的な負担が少ないため、年齢を重ねても長く働き続けられる点も、キャリアパスとして非常に魅力的です。

よくある質問

2026年の試験は受けるべき?2027年の緩和を待つべき?

すでに実務経験が5年ある方は、迷わず今年の試験を受けるべきです。2027年の緩和初年度は受験者が激増し、合格率が調整(難化)されるリスクがあるため、早めの取得をおすすめします。

更新制が廃止されたら、今の資格証はどうなりますか?

制度改正後は、一度取得した資格は失効しなくなります。ただし、ケアマネジャーとして業務を行う場合は、毎年のオンライン法定研修を受講する必要があります。

派遣社員やパートでもケアマネジャーを目指せますか?

はい、目指せます。受験資格である「実務経験」には、正社員だけでなく、派遣社員やパートとしての勤務期間もカウントされます。ただし、通算5年以上かつ「900日以上」の従事日数が必要なため、シフトの日数には注意してください。

関連リンク

まとめ

ケアマネジャーは、介護業界のキャリアの頂点とも言える重要な資格です。難易度は高いですが、2026年の処遇改善による給料アップや、2027年の受験資格緩和・更新制廃止など、今まさに目指しやすい環境が整いつつあります。

実務経験の条件を満たしている方は、ぜひ今年の試験に挑戦してみてください。これから経験を積む方は、2027年の制度緩和を見据えて、今のうちから計画的に準備を進めていきましょう。

ブレイブでは、資格取得支援制度が充実した職場や、ケアマネジャーとして活躍できる施設の求人を多数取り扱っています。キャリアアップを目指す方は、ぜひ一度ご相談ください。

執筆・監修

ブレイブ コラム編集室
本記事は、医療・福祉業界に特化した人材派遣・紹介サービスを提供する「株式会社ブレイブ」のコラム編集室が執筆・監修しています。現場のリアルな声と最新の業界動向に基づき、介護士・看護師・保育士の皆様のキャリアアップに役立つ情報をお届けします。

ブレイブとは?

株式会社ブレイブは、マイナビグループの一員として、看護師・介護士・保育士などの医療・福祉・保育分野に特化した人材派遣・紹介サービスを展開しています。全国に拠点を持ち、専任のコンサルタントがあなたにぴったりの職場探しをフルサポート。日払い制度(速払いサービス)や充実した福利厚生など、働く皆様を第一に考えたサービスを提供しています。

関連記事

特集記事

ブレイブ コラム編集室

介護・保育を中心に、「はたらく人」と「支える現場」に役立つ情報をわかりやすく発信しています。 派遣・転職を検討する方が安心して一歩を踏み出せるよう、現場の声や最新動向をもとに実務的なコラムをお届けしています。

今週の人気記事ランキング
  1. 1

    ケアマネジャーの資格の取り方と将来性|2027年法改正で何が変わる?

  2. 2

    介護資格一覧|種類・難易度・目的別おすすめをわかりやすく解説

  3. 3

    ヘルパーとは?仕事内容・資格・給料をわかりやすく解説【2026年版】

  4. 4

    看護助手がきつい5つの理由と対処法|やめたほうがいい?現場のリアルを解説

  5. 5

    看護助手の資格の取り方を分かりやすく解説

  6. 6

    保育士におすすめの派遣会社10社ランキング|選び方や各社の特徴・給与・サポート体制を比較

  7. 7

    【2026年最新】介護派遣会社おすすめランキング|失敗しない選び方5つのポイント

  8. 8

    看護師におすすめの派遣会社10社ランキング|選び方や各社の特徴・給与・サポート体制を比較

  9. 9

    産業ケアマネージャーとはどんな資格?取得のメリット

  10. 10

    保育士でもネイルはできる? OKな範囲とNGの範囲とは

最近の記事
  1. 介護職の早番・遅番とは?仕事内容・生活リズム・求人選びの確認ポイント

  2. 介護職の残業は多い?残業代の基本と求人票の確認ポイント【2026年版】

  3. 介護派遣で有給休暇は取れる?いつから・日数・申請の流れと確認点

  4. ケアマネジャーの資格の取り方と将来性|2027年法改正で何が変わる?

  5. 介護職の派遣3種類(登録型・常用型・紹介予定)の違いとは?メリットと選び方を徹底解説

TOP
お仕事探しは、無料登録から
CLOSE
お仕事探しは、無料登録から