介護職に向いている人とは?なるための条件はどんなことがある?
転職先として介護職を考えるとき、「自分に務まるだろうか」と不安に感じることもあるのではないでしょうか。たしかに、どんな職業にでも向き不向きがあります。では、介護職に向いている人とは? この記事で紹介しますので、ぜひ自分に当てはめて考えてみましょう。もちろん全部に当てはまらなければダメというわけではありません。ひとつの判断材料として活用してみてください。
介護職に向いている人はどんな人?
介護職の仕事の基本は、高齢の利用者さんのお世話を、職場のスタッフと協力してすること。その基本をふまえると、次のような人が向いているといえます。
協調性がある人
介護の仕事は、ひとりでするわけではありません。多くの利用者さんのお世話を、多くのスタッフとチームを組んで行います。さらに、誰とチームを組んでも、同じクオリティの介護を提供することが必要です。そのため、ほかの人と協力しながら物事にあたれる協調性があることは、とても大事なこと。
「あの人と、同じチームはイヤ」だとか「私は自分の考えで介護する」ということだと、職場の空気も乱れてしまいます。
また、職場のスタッフだけではなく、医師、看護師、理学療法士など、多岐に渡る職種の人と連携して仕事をすることも介護の特徴です。そういったことからも、お互いの立場を理解し、協力しあえる気持ちが必要とされます。
話を聞くのが上手な人
介護の仕事ではコミュニケーションスキルが重要と言われていますが、どちらかというと話上手な人よりも、「話を聞くことが上手」という人のほうが向いています。
高齢の利用者さんの中には、自分の話を聞いてほしくて介護士に話しかける人も大勢います。それなのに、介護士が自分のことばかり話していたのでは、不満をため込むことに……。
また、時にはご家族からの相談を受けることもあります。そのときも、心がけたいのは、まず話を聞いてあげること。具体的なアドバイスがなくても、話を聞いてもらえるだけ心は軽くなるものです。
自分を振り返ってみて「人の輪の中では、話すより聞くタイプだな」と思えるなら、介護職に向いているといえるのではないでしょうか。
人と接することが苦ではない人
介護職の仕事の基本は利用者さんのお世話をすること、つまり人と接することです。そのほか、職場のスタッフ、利用者のご家族、医療関係者、地域の福祉関係者など、さまざまな人と接しながら仕事を進めていきます。
そう考えると、人と接することが苦手という人にはちょっと厳しい職種かもしれません。とはいえ、お調子者のように誰とでもペラペラ接することができればいいというものでもないのです。
自分の中に「人と接することが苦手」という意識があったとしても、相手の気持ちを考え、相手の立場を思いやりながら接することができれば大丈夫です。人と接することも慣れのうちで、接しながら学べることはたくさんありますし、自分自身の成長も感じられるはずです。そうこうするうちに苦手意識がなくなり、仕事が楽しくなっているかもしれません。
高齢者を敬う気持ちがある人
施設を利用する高齢者の中には、認知症などの症状を持った人も少なからずいます。自分の思うように対応できる利用者さんばかりとは限りません。
そんなときも、長く生きてきたことに対する敬愛の気持ちがあれば、感情的にならずに対処ができます。
介護する人がどんな気持ちで接しているかは、利用者さんにも伝わります。そして、何と言っても介護施設は、利用者さんがよりよい時間を過ごすための場です。逆に言うと、高齢者を敬えない人には務まらない職場かもしれません。
体力がある人
要介護度の高い利用者さん――たとえば、車イスを利用されている方や寝たきりの方の着替え、入浴介助などは、とても体力がいります。利用者さんの体格にもよりますが、小柄な女性でも、体重を預けられるとかなりの重さです。しかも入浴のように限られた時間の中で終えなければならないこともたくさんあります。施設によっては夜勤もあり、その場合も、やはり体力勝負です。
スポーツ界系の体力までは必要ありませんが、健康でそれなりの体力があることは、介護職にとってとて重要な資質であるといえるでしょう。
仕事のオン・オフが切り替えられる人
介護職で長く働きたいと思うなら、オンとオフが上手に切り替えられることもポイント。それができる人は、介護職に向いているといえます。
職場では、利用者さんに寄り添い、ご家族の気持ちをくみ取ることも大切ですが、職場を出てまであれこれ考えてしまうと、自分自身の精神状態に影響が出てしまいます。
職場では、いろいろな出来事がありますが、その日の業務を終えて外に出たら、仕事から頭を切り離すことは、とても大事なこと。趣味の時間を楽しんだり、ストレスを解消したり、オフタイムを充実させていきましょう。
介護職業界以外からの転職も可能?
介護業界は、介護職業界以外からでも転職はできますし、未経験でも大丈夫。実際にそのような人は大勢います。
介護経験も大切ですが、もっと必要なのはお伝えしたような人間的な資質があるかどうか。資格の有無を気にする人もいるかもしれませんが、資格は働きながらでも取ることができます。むしろ、現場で実践的な知識が得られる分、働きながらのほうが取りやすいという面もあるかもしれません。
もし介護業界以外からの転職を考えているのであれば、ぜひ検討してみてください。
介護職に向いている人のイメージはつかめたでしょうか。そもそも、介護職に就こうと考えている人が、「人と接することがキライ」「高齢者が敬えない」ということは、ないのではないかと思います。何ごとにも不安はつきものですが、介護は、とてもやりがいのある仕事です。よほど「自分には不向き」というのでなければ、ぜひ挑戦してみてください。