介護職は手荒れをしやすい? 手荒れの原因と悪化させないための対策
介護職では、手荒れに悩む人が多くいます。この記事を読みながらうなずいている方もいらっしゃるのではないでしょうか。介護の仕事は水やお湯に触れる機会も多く、衣類や紙製の介護用品なども日常的に扱うため仕方のない面があるものの、手が荒れると自分の生活にまで支障が出てしまいます。まずは手荒れの原因を知り、悪化させないように対策を取りましょう。こちらの記事で解説します。
介護職が手荒れをしてしまう主な原因
手荒れにはいくつかの原因が考えられますが、主な原因として挙げられるのが、水やお湯に触れる機会の多さです。実際、レストランの洗い場など、水仕事に携わる多くの方が、手荒れに悩んでいるといいます。
介護は基本的には高齢者のお世話する仕事です。ただ、食事や排泄の介助、おむつ交換や着替えなど、体に触れる機会が多いこともあり、衛生面のことを考えるとどうしても手洗いの回数が頻繁になってしまいます。施設によっては、入浴介助、洗濯などで水やお湯に触れる機会も多いことでしょう。
手を頻繁に洗ったり水仕事の回数が多かったりすると、手の皮膚を保護している「皮脂」が洗い流され、減ってしまい荒れてしまいます。皮脂は、水分蒸発を防ぎ、外部の刺激から私たちの皮膚を守るために分泌されています。日常生活で手を洗う程度であれば適度に皮脂の量が保たれるので問題はありません。
しかし、頻繁に手を洗うと、皮脂がどんどん減るばかりで、分泌が追いつかなくなってしまうのです。特にお湯のほうが皮脂を洗い流す力が強いので、入浴介助をするだけでも手は荒れてしまいます。冬場にお湯で手を洗ったり、食器の洗い物をしたりといったことも、皮脂減少の大きな要因です。
皮脂が減ってしまうと、手の皮膚は水分を保つことができず、ガサガサに……。そうなると刺激にも弱くなってしまい、衣類の繊維や介護用品の紙類に触れるだけでも手荒れを引き起こしやすくなります。薬品や洗剤も刺激になりますから、触れる機会が多ければ多いほど手荒れにつながるということです。
起こる可能性のある手荒れの種類
ひと口に「手荒れ」といっても、いくつかの種類があります。介護職に起こる可能性のある手荒れの種類を確認しておきましょう。
ひとつは、ひび割れ・あかぎれです。ひび割れというのは、皮脂で守られていない皮膚が乾燥してかたくなり、部分的に切れてしまう症状をいいます。あかぎれは、ひび割れがひどくなった状態のこと。炎症を起こして皮膚が赤くなり、強い痛みを感じます。
もうひとつは、手湿疹です。てのひらや指先に、強いかゆみや痛みを伴う湿疹や炎症が生じます。さらに皮膚がはがれ落ち、ボロボロの状態に……。とてもつらい症状です。
手荒れを悪化させないための対策
手荒れで痛みが生じると日常生活に支障が出るだけでなく、仕事にも支障が出てしまいます。悪化させないためにも次のことを心がけていきましょう。
ハンドクリームを塗る
まず実践したいのが、手を洗った後や水仕事の後すぐに、ハンドクリームを塗って手を保護すること。流れた皮脂の代わりにクリームが皮膚を守ってくれます。
水に触れる機会が多いと、そのたびに……というのは少々手間に感じるかもしれません。しかし、手の保護のためには面倒がらずに、こまめに塗ることがポイントです。時間を置いてから塗ったり、何回かに一回塗ったりというのではクリームの十分な効果が得られなくなってしまいます。
塗るときのコツは、皮膚に浸透させることをイメージしながら、円を描くように優しくクルクルと塗りこむこと。こうすれば成分がしっかりと浸透していくので、手荒れにはとても効果的です。
ドラッグストアには、成分、塗り心地、香りなど、さまざまなハンドクリームが並んでいます。自分の好みに合ったものを見つけ、常備しておきましょう。
水仕事の際はゴム手袋を着用
洗いものや洗濯など、水仕事をするときにゴム手袋を着用することも、手荒れを防ぐためには有効です。直接、水に触れなければ、手荒れもしにくくなります。
ただし皮膚が敏感な人の場合、ゴム手袋の素材によっては手が荒れてしまうことがあるかもしれません。その場合は、バスガイドさんが使っているような薄手の木綿の手袋をしてから、ゴム手袋をはめることをおすすめします。
手を洗ったらきちんと乾かす
忙しいと、ついきちんと手を拭かず、濡れたまま次の作業に移ることも。しかし、手を塗れたままにしておくと、どんどん水分が蒸発してしまいます。手を洗ったり手が濡れたりしたり、そのままにせず、きちんと乾かす習慣をつけましょう。
手を拭くときには優しく拭く
荒れた手には、タオルの繊維も刺激になってしまいます。手を拭くときは、やわらかいタオルで、優しく拭くようにしましょう。ゴシゴシこするのは厳禁です。
介護職に手荒れはつきもの。これは、仕事の特性で仕方のないことともいえます。だからこそ、気を遣ってケアしてあげましょう。作業のときは可能な範囲でゴム手袋を着用し、こまめにハンドクリームを塗るようにします。痛みが出ると治りにくくなってしまうので、その前に対策をすることがポイント。ぜひ記事を参考にして、手荒れ対策をしてくださいね。