子育てしながら介護の仕事を続けていくときのポイント
子どもが幼稚園や小学校に入ったのをきっかけに、再就職を考える方が増えています。求人誌や求人サイトなどを見ても分かるように、介護の仕事というのは求人数も多く、未経験から初めてキャリアを積むことができるため、職歴にブランクのある方の再就職先として有効な選択肢のひとつです。というわけで今回は、子育てと介護の仕事を続けていくためのポイントについて詳しく解説していきます。
子育てしながら介護の仕事は可能?
「夜勤がある」、「長時間労働」、「時間の融通が聞かない」、「とにかく大変」というように、どうしてもネガティブなイメージを持たれがちな介護の仕事。そのせいで、「子育てと介護の両立は絶対に無理」と思っている方も多いのではないでしょうか。ですが実際には、子育てをしながら介護の仕事に就くことは、決して不可能なことではありません。
その理由としては第一に、介護業界というのは女性が圧倒的に多いということが挙げられます。一緒に働く同僚の中には現在子育中の方はもちろん、過去に子育てを経験した方も多くいるため、子どもを育てるということの大変さを理解してもらいやすい環境にあるのです。また、介護の仕事はシフト制で回されていることが多く、子どもの学校行事などに合わせてあらかじめ休みを取得することもできます。
もちろん、介護の仕事に限らずどんな業種でも、仕事と子育てを両立していくにはそれなりの苦労があるのも事実です。働き初めてから「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、良い部分だけでなく、大変な部分もきちんと理解しておくことが大切でしょう。
子育てしながら介護の仕事が難しい理由
では、子育てをしながら介護の仕事をしていく場合、どのような点に難しさを感じるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
自分自身で負い目を感じてしまう
子育てをしながら介護の仕事をしていく上での最も大きな壁は、自分自身との葛藤です。特にどんなことでも手抜きをしない完璧主義の方は、自分の働き方を厳しく評価してしまいがち。周りが残業をしているのに、保育園のお迎えがあって残業ができなかったり、みんなが働いている時間に早く帰らなくてはいけなかったりすることに対して負い目を感じてしまう方も多いようです。
突然休まなくてはいけない時がある
子どもの急な体調不良や、台風などの自然災害による臨時休校など、子育てをしながら働いていると、仕事を休まざるを得ない突発的な出来事が起こることがあります。大勢の人が働いている大企業であれば一人が休んでも周りでフォローすることができますが、慢性的な人手不足に悩む介護業界では、一人の穴を埋めることはなかなか大変なことです。そのことがわかっているからこそ、突然休まなくてはいけない時に、申し訳なさでいっぱいになってしまうこともあるようです。
毎日が忙しく、自分の時間がない
介護職だけに限らず、子育てをしながら働く方の多くが自分の時間を持てないことにストレスを感じています。特に子どもが小さいうちは、子育て、仕事、家事の両立には大変な努力と工夫が必要です。朝から晩まで息をつく暇もなく時間に追われる生活に、子育てをしながら働くことの難しさを痛感する方も多いのではないでしょうか。
子育てしながら介護の仕事を続けていくときのポイント
介護の仕事だけに限らず、どんな仕事であっても子育てとの両立をするためには、工夫や努力が必要になってきます。では、実際に子育てをしながら介護の仕事を続けていくためには、どうしたら良いのでしょうか。ワーキングママ・パパが抑えておくべき大切なポイントを詳しくみていきましょう。
パートナーや両親などの周囲の人に協力をお願いする
子育てをしながら介護の仕事を続けていくには、自分ひとりの頑張りだけでは到底太刀打ちできません。自分の子どもだから自分でなんとかしなくてはいけない!という思いは自分自身を追い詰めてしまいますから、パートナーや両親をはじめ周囲に協力することを認めましょう。甘えられるところは上手に甘えることで心にもゆとりができ、余裕を持った心で子どもに向き合うことができるようになるのですから、周囲に協力をお願いすることは、結果的に子どもにとっても大きなメリットになるのです。
勤務時間・雇用形態の変更をする
ひと言で介護職と言っても、働く施設によってもさまざまな勤務形態があります。子育てと介護職の仕事を両立していくためには、自分に合った働き方を選択することが大切です。例えば、デイサービスは基本的に夜勤がなく日勤だけの勤務のため、子どもが小さいうちには働きやすい環境ですし、働く介護職員の人数が多い大規模な介護施設であれば、急に仕事を休まなくてはいけない時でも周囲がカバーしやすい体制が整っています。なるべく子育て中でも働きやすい環境を探してみましょう。
また、いままで正社員で介護職に就いていた方は、雇用形態を派遣に変更するという方法もあります。派遣の介護士であれば、働く時間・期間について、正社員より融通が利く場合が多いことから、派遣の選択肢を採用する方も増えています。
交代勤務のシフトを活用する
子育てしながら介護の仕事を続けていく上で大切なことは、出来ないことは「できない」と正直に伝えることです。例えば、勤務のシフトひとつとっても、勤務できる時間帯と勤務できない時間帯をあらかじめきちんと伝えておきましょう。周囲に申し訳ないからといって無理なシフトを組んでしまうと、かえって職場に迷惑をかけてしまうこともあります。時短勤務も含めて、子育てしながら働けるシフトを明確にしておきましょう。
別の介護施設への転職を検討してみる
子育てをしながら働くことに対して、職場の理解が得られないと感じた場合には、思い切って他の施設に転職をするというのも効果的な方法のひとつです。子どもに手のかかる間は、短時間の勤務も受け入れてもらえる介護施設を探してみてはいかがでしょうか。また、前述したように短時間勤務の場合には、派遣の介護職という選択もおすすめです。
子育てをしながら介護の仕事をしていく場合には、上記でご紹介した内容を参考にした上で、自分たちに合った働き方を見つけてみましょう。