看護助手から介護福祉士になるには? 実務経験は生かせる?
看護助手として働くうちに、介護福祉士になることを目標にする人もいるのではないでしょうか。看護助手としての経験は、介護福祉士の受験要件である「実務経験」として生かすことができます。国家資格である介護福祉士を取得すれば、職場内でのキャリアアップが期待できるだけでなく、転職でもアピールが可能です。この記事で看護助手から介護福祉士になる方法を説明するので、ぜひ役立ててください。
看護助手から介護福祉士になるためのステップ
看護助手から介護福祉士になるためには、大きく 3つのステップがあります。それぞれのステップの概要は次のとおりです。
1. 実務経験を積む
ひとつは実務経験を積むことです。
介護福祉士になるためには、国家試験を受けて合格しなければならないのですが、試験を受けるためには、受験資格を満たしている必要があります。
受験資格を満たすルートとしては4つが認められていて、そのひとつが「実務経験ルート」なのです。実務経験ルートでは、看護助手として働いた経験も対象となります。
ただし、 3年以上の経験が必要です。具体的には、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが、次のように規定しています。
- 従業期間(在職期間)は 3年(1095日)以上
- 業務従事日数が540日以上
まずは、看護助手として規定の実務経験を積むことを目指しましょう。
ここで気をつけたいのが、勤務先が実務経験の対象施設とならないケースがあることです。一般的に看護助手が勤務する場である病院、診療所なら問題ありません。そのほか、知的障害児施設、指定訪問看護、救護施設も対象となります。
もしも不安がある場合は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターのホームページで確認してみましょう。
2. 実務者研修を修了する
試験を受けるためには、実務経験を満たし、さらに介護福祉士実務者研修を修了することが求められています。
介護福祉士実務者研修は、厚生労働省が指定した施設で受講が可能です。施設は全国にあり、通学課程のほか通信課程を設けているところも多いので、働きながら学ぶこともできます。
3. 介護福祉士国家試験を受験する
実務経験を満たし、実務者研修を修了すれば、介護福祉士国家試験の受験資格が得られます。
試験は年に1回、例年1月に実施されているので、スケジュール調整をして試験に臨みましょう。
看護助手の実務経験を生かすポイント
次に、看護助手としての実務経験を生かすためのポイントを確認しておきましょう。
業務内容の確認
実務経験が3年以上と規定はされていますが、業務内容によっては、看護助手の実務経験として認められないケースもあるのでご注意ください。
実務経験として認められるのは、例えば、入浴介助、排泄介助、食事の介助、移動や移乗の介助、着替えの介助などの業務です。これらの業務は、病院に勤めていれば、入院患者さんのケアやサポートという形で携わることができるでしょう。
実務経験として認められないのは、看護助手としての主な業務内容が、掃除や施設の環境整備、備品の管理などである場合です。
介護福祉士は、介護を必要とする人のための資格です。その観点でいうと、介護に携わっていない看護助手の実務が経験として認められないのは、致し方ないといえるでしょう。
看護助手として働きながら介護福祉士を目指す場合は、経験が認められる業務に就ける職場に勤務することが大切なポイントです。
なお、業務内容が介護に関することであれば、雇用形態に縛りはありません。従業期間や従事日数を満たしていれば、派遣やパート勤務でも受験資格を得ることができます。
実務経験証明書の取得
受験するには「実務経験証明書」が必要です。証明書は、依頼すれば勤務している医療施設が発行してくれるので、介護福祉士試験の『受験の手引』をよく読んで取得しましょう。
看護助手から介護福祉士へのキャリアアップのメリット
看護助手から介護福祉士になると、どのようなメリットがあるかについても確認しておきましょう。
専門性の向上
介護福祉士は、介護のスペシャリストです。基本的な介護技術、認知症ケア、医療的ケアなどの実践スキルが磨かれることはもちろん、介護保険のことなど、関連する知識も身につきます。
専門性が向上することで、利用者さんやその家族、職場の信頼は間違いなくアップするでしょう。
キャリアの幅が広がる
介護福祉士の資格を得ることで、介護現場のメンバーを取りまとめてリードしたり、自分のアイデアで現場を動かしたりできるようになります。介護士を指導したり、セミナーの講師を担当したり、業務内容の幅も広がります。
場合によっては、行政や民間団体などからの要請で仕事に出向くこともあるでしょう。
総合的にみてキャリアの幅が広がることは、大きなメリットです。
給与や待遇の向上
介護福祉士は、国家資格です。資格を必要としない看護助手に比べると、給与や待遇が向上します。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、看護助手の平均月収は約22万円、年間賞与等が約51万円、年収に換算すると約319万円です。
介護福祉士を含む専門職では、平均月収が約29万円、年間賞与等が約79万円で、年収換算では427万円となっています。
まとめ - 看護助手の経験を生かして介護福祉士を目指そう
看護助手として実務経験を積み、介護福祉士実務者研修を修了すれば、介護福祉士になるための受験資格が得られます。試験に合格し、晴れて介護福祉士の資格を取得できれば、キャリアアップや収入アップも夢ではありません。看護助手で実務経験を積み、介護福祉士を目指してみませんか? 興味のある方は、ぜひ下記のサイトへアクセスしてみてください。
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