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介護に関わる資格

産業ケアマネージャーとはどんな資格?取得のメリット

産業ケアマネージャーとはどんな資格?取得のメリット

介護業界に「産業ケアマネージャー」という資格があることをご存知でしょうか。「初めて聞いた」という人もいるかもしれません。それもそのはず、産業ケアマネージャーは、生まれてからまだ日の浅い資格です。これからの時代に必要だということで、誕生しました。さて、産業ケアマネージャーとは、どのような資格なのでしょうか。取得するとどんなメリットがあるのでしょうか。わかりやすく解説します。

産業ケアマネージャーとは?

産業ケアマネージャーは、「産業ケアマネ」という資格名称で、2020年に誕生しました。試験を実施・認定しているのは「ケアマネージャーを紡ぐ会」で、背景には、「介護離職」という現代社会の問題があります。

介護離職というのは、身内を介護するために職を辞すること。内閣府のデータによると、2017年の時点で10万人に届こうかという人数となっています。以降、若干の増減はあるものの、これからの高齢化社会、その中での働き手の確保ということを見据えると、社会全体で取り組まなければならない課題のひとつといっていいでしょう。

これまで、どちらかというと介護は、家庭内で対処して解決すべき問題として扱われてきた側面があります。仕事を続けたくても、現状の働き方では難しいため、辞めざるを得ないという状況もありました。
そこで、介護をする人と企業の間に立ち、仕事と介護を両立できるようにアドバイスできる専門家として、産業ケアマネージャーが誕生したのです。

ところで介護業界には、「介護支援専門員」、通称「ケアマネージャー」と呼ばれる資格があります。ここで、「ケアマネージャー」と「産業ケアマネージャー」の違いについても確認しておきましょう。
ケアマネージャー、いわゆる「介護支援専門員」は、都道府県が認定する公的資格となっています。一方の産業ケアマネージャーは「ケアマネージャーを紡ぐ会」が認定する民間資格です。

仕事内容も異なります。ケアマネージャーの主な仕事は、介護保険サービスを利用する高齢者や家族の相談に乗ってプランなどの提案を行うこと。産業ケアマネージャーの場合は、介護をする人と企業の間に立ち、離職せずに働けるようアドバイスをすることです。
ちなみに、産業ケアマネージャーの試験を受けるためには、介護支援専門員の資格を取得していることが条件となっています。

産業ケアマネージャーの仕事内容

もう少し詳しく、産業ケアマネージャーの仕事内容について見ていきましょう。

産業ケアマネージャーの仕事は、介護離職を減らすことです。
具体的には、一般企業に社員として入社します。そのうえで、ケアマネージャーとしての知識も活かしながら、介護に携わる社員の相談に応じ、アドバイスを行うのがおもな業務です。
例えば、家族の介護をしているため仕事に影響が出ている社員、離職をしようか悩んでいる社員の話を聞き、両立できる方法を考えたり提案したりします。
必要があれば、介護支援専門員の資格を生かして、介護支援プランの作成も担当することも。

このほか、相談を受けた社員の状況を人事担当者と共有し、部署移動、時短勤務など離職せずに働けるように提言することも大切な仕事です。
イメージしにくい面もあるかもしれませんが、介護制度、介護休業など、専門的なアドバイスをしながら、企業と働く人の間に立つ、それが産業ケアマネージャーの仕事といえます。

産業ケアマネージャーになるには

では、産業ケアマネージャーには、どのようにしたらなれるのでしょうか。
産業ケアマネージャーになるためには、資格試験に合格する必要があります。先ほどご紹介した「ケアマネージャーを紡ぐ会」が実施している「産業ケアマネ」の認定試験が、それです。
3級、2級、1級に分かれていますが、当面の間、実施されるのは3級のみとなっています。

3級の受験資格は、介護支援専門員の資格を持っていること。2級は3級に合格していること、1級は2級に合格していることが要件です。

産業ケアマネージャーの資格を取得するメリット

さて、産業ケアマネージャーの資格を取得することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ひとつは、キャリアアップやキャリア転換につなげられることです。介護の現場で働くにしても、介護するご家族の相談に乗り、アドバイスをすることは多々あります。産業ケアマネージャーの資格を取得することで、新たな視点で、より現実に寄り添ったアドバイスができるようになるでしょう。

もうひとつ、介護現場を離れて、社会と介護をつなぐ新たなキャリアに転換できる可能性があることもメリットといえます。
産業ケアマネージャーの職場は、介護離職に問題意識を持ち、解決したいと考えている企業です。「産業ケアマネージャー」としての肩書きを持ち、専門家として仕事をすることができます。
資格自体は新しいものですが、誰もが名乗れる資格ではありませんし、新たな働き方が開拓できる可能性に満ちていることも、メリットのひとつです。

ここまで、産業ケアマネージャーについて説明してきました。産業ケアマネージャーは、ひと言でまとめると、「介護業界と社会をつなぐ、かけ橋」という存在かもしれません。新しい資格だからこそ、取得している人が少ないうちに挑戦する価値もあるのではないでしょうか。試験を受けるためには介護支援専門員の資格が必要ですが、持っている方はぜひ、挑戦してみませんか? 持っていない方も、まずは介護支援専門員の資格取得を目指してみましょう。

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