看護師の給料はどれくらい? 目安と給料アップのためにできること
看護師になりたい、看護師として働きたいと思う一方で、給料がどのくらいもらえるのかも気になるところではないでしょうか。仕事に就いてから手にした給与明細を見て「こんなはずではなかった」とため息をつくことのないよう、看護師の給料事情について知っておきましょう。仕事をしながら給料アップにつなげる方法も含めてご紹介します。
看護師の給料(年収)の目安はどれくらい?
ずばり、看護師の給料はどのくらいなのでしょうか。厚生労働省が2023年3月に公開した「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに見ていきましょう。
この調査結果によると、規模が10人以上1000人未満の医療機関に勤める看護師の平均月給は約35万円、ボーナスなどの年間賞与等は約86万円です。単純に計算すると、年収は「35万円×12ヵ月+86万円=506万円」となります。
ただし、この金額は、年齢を問わず看護師として働くすべての人の平均です。また、准看護師の場合は、月給が約30万円、年間賞与が約62万円となっています。そのことも、頭の片隅に置いておきましょう。
参考までにお伝えすると、学校を卒業して働き始めた20~24歳の看護師の平均月給は、約29万5000円、年間賞与等は約46万円となっています。年収に単純換算すると、約400万円。看護師全体の平均が506万円ですから、それよりも100万円ほど低い金額となります。
この金額を多いととらえるか少ないととらえるかは、職場環境や仕事内容にもよるので、一概に判断することはできません。ただ、人の命を預かり、時には夜間も業務に就く看護師の仕事は、ハードといえばハードです。
そういった事情も考慮し、国をあげて、看護師の処遇改善が行われています。実際に、2022年2月には、賃上げが実施されました。今後の動きにも注目したいところです。
看護師にはボーナスがある?
看護師にはボーナスがあるのかどうか――。この答えは、先ほどの年収の目安でも示したように、年間平均で約86万円のボーナスが支給されています。ですから、この統計を見る限りにおいては、ボーナスは支給されていると考えて差し支えないでしょう。
一般的には、夏と冬の年2回に分けて支給されるパターンが主流ですが、業績によっては年3回というケースも。
ただし、ボーナスが支給されるか否かは、勤務先の業績に左右されます。それまでは支給されていたのに、業績が悪化して支給されないケースもないわけではありません。
看護師が給料アップするためにできること
国をあげて看護師の処遇改善が進められています。さらに、看護師自身の取り組みで給料アップを狙うこともできます。具体的にどのようなことができるのか、見ていきましょう。
管理職に昇進する
ひとつは、管理職への昇進を目指すことです。医療機関によっても異なりますが、看護主任、看護師長、看護部長などの管理職があり、それぞれに役職手当てがつきます。必然的に、給料が上がるというわけです。
管理職には、現場での看護スキルや判断力だけでなく、職場の看護師を取りまとめるコミュニケーションスキルも欠かせません。先輩看護師の仕事ぶりからも、積極的に学んでいきましょう。頑張る姿勢が評価されれば、昇進も近づいてきます。
別の病院、クリニックに転職する
今の職場よりも手厚い給与体系をとっている病院やクリニックに転職することも、方法です。管理職への昇進を目指すとなると、ある程度の時間がかかりますが、転職なら時間をかけずに給与アップが実現できます。
人手を確保するために、好待遇での看護師求人をしている病院やクリニックがあるので、定期的にチェックしてみましょう。
資格を取得する
資格を取得してスキルを磨くことも方法です。
看護に関する資格なら、「認定看護師」「専門看護師」など。看護師は介護の世界でもニーズが高いので、ケアマネージャーと呼ばれる「介護支援専門員」の資格もおすすめです。看護、介護、両方の資格があれば、就職先の選択肢もぐんと広がりますし、資格の手当てにも期待できます。
そのほか「骨粗しょう症マネージャー」「禁煙支援士」「心臓リハビリテーション指導士」など、診療科目に特化した資格や、「健康予防管理専門士」のように、幅広く役立つ資格も。
医療以外でも、診療や介護に取り入れられているアロマテラピー、聴覚にハンデのある人と会話ができる手話など、趣味と実益を兼ねた資格もあります。
派遣として働く
派遣看護師は、時給が高めに設定される傾向にあります。そういう観点でいうと、派遣で働くことも、給料を上げる方法のひとつです。
ただ、同じ派遣であっても、派遣会社や地域によって時給は異なります。給料を上げるためには、できるだけ高時給の求人に応募することがポイントです。
看護師の給料については、処遇改善などの取り組みが行われています。そこに期待してもよいのですが、給料アップに向けて、自分なりに実践できることがあるのも事実。資格の取得、転職、派遣という働き方を検討するなど、少し先の自分を見据えてみましょう。そのうえで、給料アップに向けて行動してみませんか。