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看護師の基礎知識

どんどん改善されている! 看護師の処遇改善とは?

どんどん改善されている! 看護師の処遇改善とは?

医療現場を支える看護師。やりがいがあり、人々に感謝される仕事ですが、精神的・身体的な負担のわりには「お給料が見合わない」という問題も指摘されていました。そこで国が取り組んだのが、処遇改善です。

処遇改善とは、具体的にはどのような取り組みなのでしょうか。何が変わったのでしょうか。この記事で、看護師の処遇改善についてお伝えします。

看護師の処遇改善とは?

はじめに、看護師の処遇改善について概要をおさえておきましょう。
看護師の処遇改善は国の施策のひとつで、「看護職員等処遇改善事業」という名のもと、厚生労働省が主導しています。

この事業が始まる前から、看護師の給与水準が仕事の大変さに比べて見合わないこと、がんばって働いてもキャリアアップにつながりにくいことが問題視されてきました。

確かに、人の生死に関わり、勤務先によっては夜勤もこなさなければならないなど、看護師の仕事は、心身に大きな負担がかかることがあります。また、看護師の場合、企業のようにさまざまな役職があるというわけではありません。就ける役職が限られていて、しかもそのポジションはなかなか空かない……そう考えると、仕事を続けるモチベーションが下がることにも、うなずけます。

そういった背景により、せっかく看護師免許を取得したのにもかかわらず、離職する人が後を絶たちません。看護師不足、少子高齢化が加速する中、どのようにして人材を確保するかは、国にとっても大きな課題となっています。

さらに2020年には、新型コロナウイルスが流行して医療現場がひっ迫、看護師の心身の負担は増大しました。

このような状況に危機感を抱いた政府が、看護師の収入アップを図ろうと動き出したのが「看護職員等処遇改善事業」です。厚生労働省の事業概要によると、「賃上げ効果が継続する取り組みをすることが前提である」と明記され、勤務する医療機関の申請により賃上げ分の補助金が交付されることとなっています。

具体的には、2022年2月~9月までの期間、収入の1%程度(月額4,000円)の引き上げが実施されました。処遇改善の動きは、間違いなく実行に移されています。

直近ではどんな処遇改善がされた?

さて、先ほどお伝えした収入の引き上げ政策は、2022年9月まででした。2022年10月以降、直近の取り組みはどうなっているのでしょうか。

取り組みは継続されていますが、大きく変わったのは、処遇改善が診療報酬で行われるようになったことです。具体的には「看護師の人数×12,000円」を医療機関に配分し、受け取った医療機関が看護師の賃上げを実施します。12,000円がそのまま上乗せされれば、月額で3%アップという計算になります。

ただし、すべての医療機関が処遇改善の対象となるというわけではないので、その点は注意が必要です。

処遇改善の対象

処遇改善の対象となるのは、次のいずれかの条件を満たす医療機関となっています。

  • 救急医療管理加算に関する届出を行い、年間で200件以上の救急搬送に対応している保健医療機関であること
  • 「救命救急センター」「高度救命救急センター」「小児救命救急センター」のいずれかを設置している医療機関であること

つまり、クリニックをはじめ、上記に該当しない医療機関や施設の看護師は、処遇改善の対象にはならないということです。

また、補助金は看護師1人当たり12,000円の交付となっていますが、全額が上乗せされるとは限らないので、その点も理解しておきましょう。

どういうことかというと、12,000円の3分の2以上は看護師の給料に反映させなければならないのですが、残り1/3は、医療機関の判断で柔軟に対処してよいとされています。例えば、放射線などを扱う専門技士、入院患者の食事を担当する管理栄養士など、看護師以外の職種の給料に上乗せされるデースもあるということです。

実際に給料はどのくらい上がった?

では、2022年10月以降の取り組みで、給料はどのくらい上がったのでしょうか。

具体的な金額を示す調査結果は出ていませんが、12,000円の3分の2以上は看護師の給料に反映させることとなっています。つまり、対象となる医療機関に勤めていれば、最低でも月額8,000円は上がっているはずです。単純計算すると、半年で48,000円、1年で96,000円のアップですから、金額としては大きいのではないでしょうか。医療機関の判断によっては、さらに上乗せされている可能性もあります。

今後も看護師の処遇改善は続く?

冒頭でもお伝えしたように、「看護職員等処遇改善事業」は継続的な賃上げを前提とした取り組みであると明記されています。そうであるなら、今後も看護師の処遇改善は続く、少なくともその可能性はあると考えてよいでしょう。

ただし、処遇改善は、対象となる医療機関に限られています。職種は同じ看護師であっても、対象となる医療機関の見直しが行われない限り、すべての看護師の処遇が改善されるというわけではないことは、念頭に置いておきましょう。

人材不足に対処し、看護師のモチベーションをどのように維持するかは、国にとっても大きな課題です。その解決に向けて始まった「看護職員等処遇改善事業」により、着実に処遇改善は実施されてきました。今後も、さまざまな動きがありそうです。ぜひ政府の動向に注目していきましょう。

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