保育士として働く際に覚えておきたい保育日記の書き方のコツ
保育士のメインの仕事は預かった子どもの保育をすることですが、そのほかにもさまざまな業務があります。そのひとつが、保育日記の記入です。慣れないうちは書き方に悩んでしまうこともあるかもしれませんが、コツをつかんでしまえば大丈夫。心配はいりません。この記事で書き方のコツを知り、自信をもって保育士デビューしましょう!
保育日記とは?
保育日誌と呼ばれることもありますが、保育日記というのは、1日の活動内容、保育中の子どもの様子や気づいたこと、保護者からの連絡事項などを記録として残すものをいいます。子どもの成長や日々の課題に即して、クラスの運営方針や保育計画、目標を考えるのに役立てられるもので、言い換えれば、質の高い保育を提供するためのツールでもあるのです。
以前は専用の冊子やバインダー形式の用紙に記入するスタイルが主流でしたが、ペーパーレスの促進やデジタルの普及により、近年は、パソコンでデータとして記録・保管したり、アプリを導入したりといった保育園も増加傾向にあります。
記載項目は保育園によって多少の違いはありますが、基本的には「日付と天気、園児の出欠状況や健康状態と欠席理由、当日の保育の狙いとカリキュラム、保育内容や実施したことなど活動内容、園児の様子や気づき、保護者への連絡ややり取りの内容、1日の振り返り」などです。
保育日記の書き方のコツ
では、実際に保育日記を書くとき、どのようなことを意識すればいいのでしょうか。それが、書き方のコツにもつながることです。3点ほどピックアップしてご紹介します。
ある程度、なにを書くかのテンプレートを決めておく
日付や天気、出欠状況といったことは、事実をそのまま記すだけなので悩むことはありません。実際に日記を書くときに悩みがちなのが、保育活動中の子どもたちの様子や気づき、反省点などです。そこでおすすめしたいのが、あらかじめテンプレートを用意しておくこと。インターネットを検索すると無料のテンプレートがヒットするので、それを利用してもかまいませんし、ご自身が勤務する保育園の保育日記に合わせて自分なりのテンプレートを作ってしまってもかまいません。
例えば「気になった園児の名前」「気になった理由」「対応したこと」「反省や気づき」という4つの項目をテンプレートとして持っておくと、それを意識しながら保育に携わることができます。
日中の出来事は、覚えているようで意外と思い出しにくいもの。いざ日記を書こうとしてペンが止まってしまうことも起こりがちですが、テンプレートを作っておけば、悩まずに書くことができます。
きちんとメモをとっておく
テンプレートをもとに、走り書き程度のメモをとっておくこともおすすめしたい方法です。保育日記を書くときにメモを見返せば、そのときのことをすぐに思い出すことができます。
メモの取り方に決まりはありませんが、できれば小ぶりのメモ帳とペンをエプロンやユニフォームのポケットにしのばせておき、何かあったときにその場で書くのがベスト。子どものお世話で「手があかない」ということもあるかもしれませんが、メモは、あくまでも自分が保育日記を書くための材料です。単語でも記号でも、後から見て自分がわかれば、それで十分。丁寧に書く必要はないので、ぜひ実践してみてください。
具体的なエピソードを入れ込む
記載するときは、できるだけ具体的なエピソードを入れるようにすると、後で読み返したときに自分がわかりやすいだけでなく、ほかの先生にも伝わりやすくなります。例えば園児がケガをした場合「Aちゃんがケガをしました」で終わらせるのではなく「Aちゃんが午前中の鬼ごっこで転び、ひざをすりむいてしまいました。少し血が出たので消毒と絆創膏で手当てをしました。泣くこともなく午後も元気いっぱいに過ごせたので安心しました」と書けば様子がよくわかりますし、記録としても完璧です。「園庭の危険物をもう一度チェックして、ケガの防止をしよう」など、自分自身の取り組みや課題につなげることもできます。
保育日記を書くときに注意したい言葉遣い
保育日記は自分だけのプライベートな記録というわけではありません。保育園の記録として残すものですし、ほかの保育士が目を通すこともあります。そう考えると、望ましいのは「です」「ます」調で統一して書くこと。園独自の記載ルールがある場合はそのルールに従いますが、そうでない場合は、「です」「ます」で書くようにしましょう。
また、記入を終えた後は必ず読み返すことも大切です。誤字・脱字の発見ができますし、わかりにくい言い回しがあれば書き直しをすることもできます。
単なる出来事を書くのではなく「これからの保育にどうつなげるか」「よりよい保育をするためにはどうしたらいいか」といったことを念頭に置いておくことも、保育日記を書きやすくする大切なポイントです。
保育日記の記入は、保育士にとって大切な業務のひとつ。書き方に悩んだり迷ったりしたときは、お伝えした内容を参考にして書いてみましょう。日ごろからメモ帳を持ち歩き、気になったことや目についたことをさらさらっとメモする習慣をつけておくことも、いざ現場で保育日記を書くというときに役立ちます。今のうちから、できることを実践に移してみてください。