介護派遣で働くメリットとは? 正規職員との違いやデメリットも解説
介護士として働きたいと考えたとき、大きく分けて正社員として働く方法と、派遣社員として働く方法があります。このうち派遣という雇用形態で働くことには、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。介護士を派遣の雇用形態で働くときに知っておきたいポイントをご紹介します。
介護派遣と正規職員との違い
介護派遣と正規職員には、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは雇用形態、給与、福利厚生の3つの観点から解説します。
雇用形態の違い
介護派遣と正規職員は、雇用先が介護派遣会社か、勤務先の企業であるかに大きな違いがあります。介護派遣は直接雇用される正規職員と異なり、派遣会社から介護施設などの職場に派遣されて働く雇用形態です。
働き始めるまでのプロセスも異なります。正規職員の場合は直接企業の採用選考に臨みますが、介護派遣は派遣会社に登録し、派遣会社の担当者から希望条件やスキルに合わせて派遣先を紹介してもらう形で就業先が決まります。
また、派遣社員の働き方は正規職員とは異なり、労働者派遣法に基づいてルールが設けられています。例えば契約期間に関しては、無期契約である正規職員とは異なり、介護派遣は事前に契約期間の設定が必要です。1日ごと、または30日以内の契約期間を設定することや、3年以上同じ雇用先に就業することは、法律で禁止されています。
給与の違い
給与の支払いについても違いがあります。正規職員は、直接雇用先の企業から給与を受け取る一方、派遣社員は派遣会社から給与が支払われます。
給与形態についても、正規職員は「月給制・賞与あり」が一般的であるのに対し、介護派遣の場合は「時給制・賞与なし」である場合が多いです。昇給に関しても、派遣の場合は正規職員のように定期的には行われません。派遣社員は派遣先ではなく、派遣会社に昇給の希望を伝える必要があります。それを踏まえて派遣会社が派遣先へ交渉を行い、認められれば昇給につながります。
福利厚生の違い
2020年4月に改正された労働者派遣法では「同一労働同一賃金」というルールが導入されました。正社員であるか派遣社員であるかに関わらず、同じ役職であれば各種手当や福利厚生は同じでなければならないという法律です。
しかし実際は、どのような雇用形態を結ぶかによって、派遣社員が受けられる福利厚生は異なります。例えば、派遣会社と派遣社員が「労使協定方式」で契約を結んでいる場合、派遣社員は基本的に派遣会社から福利厚生を受けることとなります。一方で「派遣先均等・均衡方式」を結んでいる派遣社員は、派遣先の企業の正規職員と同じ福利厚生を受けることができる場合があります。介護派遣として働く場合は、事前にしっかりと確認しておきましょう。
なお、どちらの方式で契約を結んでいても、派遣先企業の福利厚生施設の利用は派遣社員にも認められています。
介護士が派遣の雇用形態で働くメリット
上記を踏まえて、改めて介護士が派遣で働くことのメリットを整理してみましょう。
自分に合った職場・介護事業所へ従事することができる
特別養護老人ホームや有料老人ホームなどさまざまな形態の老人ホーム、またはデイサービス、訪問介護、病院など、介護士が働く場所はたくさんあります。それらの中から自分に合った職場を選んで働くことができます。
短時間の勤務などの融通が通りやすい
週に数日だけ、あるいは1日のうち9時~15時までの時短勤務を選ぶことも可能です。職場にもよりますが、基本的に正社員より日数や時間の融通が利きます。扶養内で働きたいという希望に沿う派遣先も見つかるはずです。就業先によっては夜勤のみ勤務するという働き方も可能です。
アルバイトに比べて給与が高い
通常、派遣社員にはアルバイトに比べて高い給与が支払われます。有資格者であればその分、時給も高くなります。
また、給与は月1回、働いたあとに支払われるというのが一般的ですが、登録する派遣会社によっては週払いや即払いなど、前払いを実施していることもあります。
基本的に残業がない
派遣の場合、あらかじめ厳密に勤務時間を決めて働くケースがほとんどで、残業は基本的にありません。また、契約書で残業が「なし」と取り決めされていれば、残業を頼まれたとしても断ることができます。
実務経験が必要な資格を取得することができる
介護関連の資格の中には受験資格に実務経験が必要になる資格が多くあります。派遣社員として介護士の仕事に就けば、必要とされる実務経験を積みながら資格取得を目指すことが可能です。資格を取れば仕事の幅が広がり、給与にも反映されます。
相談相手がいる
派遣社員と派遣先企業の間には派遣会社が入ることになるので、仕事を通じて困ったことがあったり、何らかの要望があったりしたときには、派遣会社の担当者に相談を持ちかけることができます。
これもアルバイトなどと違う点で、派遣という働き方を選べば、派遣会社に自分に合った仕事を紹介してもらうことも、派遣先企業との間で生じたトラブルに対処してもらうことも、ちょっとした相談に応じてもらうこともできます。
介護士が派遣の雇用形態で働くデメリット
一方、介護士として派遣で働くことによるデメリットもあります。そちらも見てみましょう。
基本的に賞与がない
派遣はボーナスがありません。派遣社員の時給が高めに設定されているのは、ボーナスがないからだとも言えます。
同時期に入社したボーナスのある正社員と比べると、同じ派遣先で長期間勤務した場合には支給される報酬額は派遣社員のほうが少なくなるでしょう。ただ、1~3年程度の勤務であれば、両者の給与面にさほど大きな差はないはずです。
長い期間、継続して働けない場合がある
通常、同じ派遣先への勤務は無期限ではなく、最初に3ヶ月、半年などと派遣期間が決められます。その派遣期間が過ぎれば一旦、契約が切れ、再び働く場合はまた同様の契約をすることになります。
次の契約でも同じ派遣先が選べたり、一定期間、派遣社員として勤務した後、その派遣先に正社員(または契約社員)として入社できたりする(紹介予定派遣と呼ばれます)こともありますが、継続勤務を希望しても働けないというケースもあります。
介護士を派遣の雇用形態で働くのにおすすめなのはどんな人?
派遣という雇用形態に向いているのは、自分の都合に合わせて勤務する職場や期間を選択したい人です。とくに結婚していて子供もいるという女性の中にはこうした人が多いでしょう。
住んでいる地域にもよりますが、介護士は基本的に多くの需要があります。さまざまな求人の中から自分に合った職場、期間、勤務日数、仕事内容を選ぶことができます。
またこれまで介護士として働いた経験があり、介護関連の資格を持っていたり一定のスキルを身につけていたりする人の場合、その能力を活かせる仕事や職場を選んで働くことができます。正社員でも能力を活かして働けないわけではありませんが、派遣の場合は管理・マネジメントの職務を任されることがほとんどないので、より専門的に現場の仕事に注力できます。
まとめると、派遣は同じ職場でずっと長く働き続けるというよりは、自分の生活とのバランスを考えながらある程度期間を区切って働きたいという人、自分の能力を活かしてスペシャリストとして仕事をし、報酬を得たいという人にマッチした雇用形態です。
派遣の介護士として働くまでの流れ
では、実際に派遣の介護士として働きたい場合は、どのようにすればよいのでしょうか。派遣会社によって多少の違いはありますが、ブレイブで派遣登録~就業までの流れを紹介します。
登録のお問い合わせ
まずは、お電話(0120-514-202)もしくは、専用お問い合わせフォームからのお問い合わせをお願いいたします。
担当者面談・要望すり合わせ
担当者と電話での面談を行う、就業の要望についてすり合わせをします。
ひと口に介護といっても、運営形態はさまざまです。どのような施設でどのように働きたいか、具体的な要望をまとめておき、伝えるようにしましょう。
氏名や連絡先、希望の勤務時間や勤務スタイル、勤務開始可能時期、介護に関する保有資格などが必要になるため、ご用意いただければ幸いです。
職場見学
面談がすむと、派遣会社から希望に合う職場の提示があります。たいていは複数の職場を紹介してもらえるので、その中から、自分で働いてみたい職場をピックアップして伝え、職場見学へと進みます。職場見学は必須ではありませんし、実際に働いてみないとわからない部分はありますが、やはり見学しておいたほうが安心でしょう。
就業開始日決定~就業開始
働く職場が決まったら、いつから仕事をするかを決め、いよいよ勤務開始となります。
とくに自分の都合に合わせた働き方をしたいという人にとって、介護士として派遣で働く方法はメリットが大きいと言えます。興味のある方は、まずは介護士の派遣を多く手がけているブレイブで派遣会社への登録から始めてみてはいかがでしょうか。