介護士としてスキルアップをするためにするべきこととは
介護士はスキルアップすることでより大きなやりがいを得られる仕事です。スキルアップすることで、利用者により質の高いサービスが提供できるようになり、給料もアップします。そこで今回は、介護士としてスキルアップするための方法についてご紹介します。
介護士のスキルアップの重要性
介護士としてスキルアップしていけば、もらえる給料がアップします。具体的に言えば、介護関連の資格の中でも最もよく知られている「介護福祉士」を取得することで、月収が約3~5万円アップします。介護士の給料は、ほかの職業と比べて低いと言われていますが、資格を取得してスキルアップすることで給料を上げていくことが可能になります。
もちろん、給料だけでなく、スキルにより業務の熟練度を上げることで、仕事の幅が広がり、深さが増すことも重要です。その結果、サービスの質が向上し、利用者の安心感や信頼感、満足度もアップするでしょう。介護士自身も、仕事に対してより充実した気持ちを持つことができるはずです。
介護士の仕事に必要なスキルとは?
では、介護士の仕事において求められるスキルとはどのようなものを指すのでしょうか。代表的なスキルを挙げてみましょう。
介助のスキルと専門知識
利用者の生活に関わる基本的な身辺的援助・生活支援を滞りなくできることがまず求められます。食事介助、入浴介助、排泄介助などの介助業務はもちろん、洗顔、歯磨き、着替えといった細々とした事柄のサポートや車椅子を使った移動介助まで、覚えるべきことはたくさんあります。利用者の体の扱い方、自分自身の体や、さまざまな福祉用具の使い方に関しても、基本的な心構え・知識・コツが必要です。
また、より専門的な知識やスキルも需要があります。とくに認知症の対応、障がい者に対する支援、ターミナルケアなどは社会的な要請の高い分野です。
コミュニケーションのスキル
利用者とのコミュニケーションも重要です。介護におけるコミュニケーションは、通常のサービス業以上に緊密であることが求められます。利用者の状況や生活スタイル、性格などを理解した上で、普段からの声がけ、介助業務中の会話などを積み重ねていくことで、少しずつ利用者との信頼関係が構築されていきます。また、ときには利用者の家族とのコミュニケーションも求められます。
観察力・判断能力
介助作業などを行いながら利用者の体調や精神状態の変化に気づき、適切な対応ができるスキルも必要です。観察力や判断能力は、介護の仕事の中でも高度なスキルと言えるでしょう。
普段、手際よく効率的に作業を進めていくことも大事ですが、そんな中でも観察や確認を忘れず、ちょっとした違いを察知して対応することで、より手厚いケアが可能になります。このスキルを得るには利用者との普段からの緊密なコミュニケーションと介護士としての経験の蓄積が必要になるでしょう。
介護士がスキルアップするために意識したいこと
介護士としてスキルアップしていくには、普段どのようなことを意識しておくべきなのでしょうか。ポイントを挙げてみましょう。
限られた時間で効率のよい学習を行う
介護士は学ぶことが多い職業です。資格を取得するにも基礎知識から実践的なスキルまで、研修や座学を通じて多くのことを習得していく必要があります。そのため、限られた時間の中で効率よく学習するという意識を持つこと、仕事においてもその気持ちを忘れず持ち続けることが大切です。
広い視野で情報収集する
介護の仕事に携わるようになってから、リフレクソロジーやアロマテラピーなどの癒やしを与えるスキルや、レクリエーションに関する知識、漢方や薬膳の知識などにも興味を持つ人は少なくありません。介護と直接関連することではなくても、広い視野で情報収集することで、利用者とのコミュニケーションがスムーズになることもあります。日頃からさまざまな分野にアンテナを張っておきましょう。
常に相手の立場に立って考える
相手の立場に立って考えることはサービス業の基本です。介護士の仕事では、より一層そのことを意識しておく必要があります。利用者が必要としていることは何か、何を楽しいと感じるのか、逆にどんなときに不快だとか不安だと感じるのかといったことを、言葉や表情、様子などを見ながら接するべきです。そのことが観察力・判断能力のところで述べたような気付きにつながります。
気持ちを切り替えて前向きにとらえる
ときには大変なことやショッキングなことにも遭遇するかもしれません。利用者の信頼を得るまでに苦労することもあるでしょう。一方で、利用者の「ありがとう」という言葉や笑顔に喜びを感じることも多いはずです。自分が明るく前向きに仕事に取り組めば、自然と周囲もポジティブな雰囲気に変わっていくものです。こうした気持ちの持ち方がスキルアップにもよい影響を与えます。
介護士がスキルアップのために取得するとよい資格
スキルアップのために取得したい資格の中でも、キャリアパスの最上位にあるのが国家資格である介護福祉士です。
介護福祉士になるには、養成学校を修了するか、実務経験3年以上もしくは実務者研修を修了し、受験資格を満たした上で、 国家試験に受験して合格することが必要です。
難易度はやや高めですが、働きながら取得を目指すこともでき、学習すること自体もスキルアップに役立つので、トライしてみるといいでしょう。
介護士のスキルアップは、より質の高いサービスの提供を通じて、利用者はもちろん自分自身の満足度のアップにもつながります。上記を参考にスキルアップを目指してみてください。