円満退職をするために! 看護師がスムーズに退職するための流れ
人の命に関わり、心身ともにハードな看護師。さまざまな理由で、退職を決意することもあるでしょう。ただ、いつ誰に、どのように切り出せばいいのかわからないと、悶々としてしまいます。スムーズな円満退職を実現するためには、どのような流れで話を進めていけばよいのでしょうか。わかりやすく説明しますので、ぜひ参考にしてください。
看護師が退職を決める主な理由
看護師が退職を決める理由は人それぞれですが、主な理由を挙げてみましょう。
ひとつは、結婚、出産、育児など、自分自身のライフスタイルの変化です。結婚相手の都合で引っ越さなければならないこともあるでしょうし、生活パターンが変わることもあるでしょう。
理由には、心身の不調もあります。細心の注意を払いながら職務をこなす看護師の仕事は、体だけでなく神経も使います。あるいは、職場の人間関係に悩み、精神的に参ってしまうこともあるでしょう。
このような理由で難しいのは、伝え方です。体調不良を理由すること自体に問題はありませんが、円満退職のためには、仕事に対する不満や文句など、ネガティブなことは口にしないほうが賢明です。
そのほかの退職理由としては、家族の介護、ほかの職場への転職があります。
家族の介護は致し方ない事情なので、職場もスムーズに受け入れてくれるでしょう。
ほかの職場への転職は、前向きな理由で伝えることがポイントです。たとえ待遇や人間関係に不満があって辞めるのだとしても、それを口にしてしまうと、円満退職は遠のいてしまいます。「自分の経験の幅を広げたい」「違う分野の看護を学びたい」など、職場としても応援したくなる理由につなげてみましょう。
理由で大切なのは、職場が納得できることです。不満や文句は、聞く側にとっては気持ちのよいことではありませんし、退職を伝えた後も、退職日が来るまでは仕事をしなければなりません。ぜひ、胸に留めておいてください。
看護師の退職に適した時期は?
常に忙しい看護師ですが、退職に適した時期はあるのでしょうか。
経営面から考えると、年度終わりの3月がいちばん適しています。4月からは新入職員も増えますし、大きな体制変更があるのもこの時期です。転職する場合でも、3月に退職して心機一転4月から新しい職場で働くことができます。
次に適しているのは、7~8月ごろ。ちょうど6月のボーナスを手にして辞める看護師も多く、補充するための求人が出る時期だからです。そういった意味では、ボーナスが出て年のひと区切りとなる12月も、退職しやすい時期といえます。年末年始は忙しいというイメージがありますが、こういったケースは多いので、きちんと手順さえ踏んでおけば、問題はありません。
看護師がスムーズかつ円満に退職をするときの流れ
では、退職を決めたら、どのように動けばよいのでしょうか。円満退職するための流れを解説します。
退職希望時期を決める
まず、いつ退職したいか、その時期を決めることから始まります。退職を申し出る時期については、就業規則に記載されているので確認してみてください。
法的には、14日前までに申し出ればよいとされています。ただ、職場にも、引き継ぎや人員補充といった事情があります。円満退職のためには、最低でも1ヶ月、できれば3ヶ月の余裕をもって退職希望時期を決めましょう。
直属の上司に退職の意志を伝える
退職希望日が決まったら、直属の上司に退職に意志を伝えます。
このとき気をつけたいのは「必ず直属の上司に伝えること」です。同僚や先輩に先に話したり、直属の上司を飛ばしてさらに上の上司に申し出たりすることは、円満退職に水をさすことになりかねません。
あらかじめ直属の上司の仕事状況を確認し、話す時間をとってもらうと、スムーズです。
退職届を作成する
直属の上司に話が通り、正式に退職日が決まったら、退職届を作成して提出しましょう。職場指定のフォーマットがある場合は、それを使ってください。特にない場合は、白無地の便せんに記載しましょう。
なお、退職届は、手渡しすることが基本でありマナーです。
また、「退職願」は提出した後の撤回が可能ですが、「退職届」の場合は、受理後の撤回はできません。退職届は、しっかり気持ちを固めてから提出してください。
業務の引き継ぎをする
退職日までの間に、自分の担当業務を洗い出し、引き継ぎをしましょう。
ここで大切なのは、職場の意向に従って引き継ぎをすることです。どんなに些細に思えることでも自分勝手に判断せず、誰にどのように引き継げばよいかを確認しながら動くようにします。
円満退職のためにも、お互いに気持ちよく引き継ぎができるよう、心がけていきましょう。
備品の返却および重要書類の受け取りをする
ユニフォーム、名札、筆記用具、ロッカーなど、職場から貸与されていた備品はすべて返却します。私物がある場合は、持ち帰りましょう。
職場からは、雇用保険証など、退職後に必要な種類が渡されるので、ひとつひとつ確認しながら受け取ります。このとき「お世話になりました」という言葉があると、職場も気持ちよく送り出してくれます。
引き止められてしまった場合にはどうする?
退職を上司に伝えたとき、引き止められるケースもあるものです。その場合は、どうしたらよいのでしょうか。
大切なのは、引き止める上司の立場を考え「職場に迷惑をかけることは申し訳なく思っている」というお詫びを伝えつつ、意志はゆらがないとはっきり伝えることです。引き止められると、つい心が揺らぐこともあるかもしれませんが、曖昧な態度は、双方にとってよいことではありません。誠実に気持ちを伝えていきましょう。
退職を決意した看護師が、円満退職する流れ、心がけたいことについてお伝えしました。理由は人それぞれですが、職場に伝えるときは、できるだけポジティブな言い方を考えておきましょう。そのうえで退職日を決め、直属の上司に話を通すようにします。退職が決まった後は、指示に従い、しっかりと引き継ぎをしましょう。お伝えした内容を参考にして、円満退職を実現してください。