「子どもたちの成長を支援する大切な仕事なのに、給料が低い…」
保育士として働く多くの方が、このような悩みを抱えています。実は、これは個人の問題ではなく、保育業界全体が抱える構造的な課題なのです。
厚生労働省の調査によると、保育士の平均月給は27万7,200円であり、全産業の平均月給35万9,600円と比較して約8万円以上低い水準です。年収に換算すると、保育士は約407万円、全産業平均は約527万円と、約120万円の差が生じています。
しかし、だからこそ、給料を上げるための具体的な方法を知ることが重要です。この記事では、保育士の給料が安い理由から、手取り年収をアップさせるための具体的な方法、そして高待遇な職場を見つけるコツまでを徹底解説します。
保育士の給料・年収の実態
■ 平均月給と手取り額
保育士の平均月給は27万7,200円です。一般的に手取り額は総支給額の75~85%程度となるため、実際の手取り額は約20~23万円程度と考えられます。
年代別に見ると、給料は年齢とともに上昇する傾向にありますが、上昇幅は限定的です。
- 20~24歳:約23万円
- 25~29歳:約24万8,200円
- 30~34歳:約25万8,800円
- 35~39歳:約27万800円
- 40~44歳:約29万8,400円
■ 年収と賞与
保育士の平均年収は約407万円(賞与込み)です。年間賞与は平均74万1,700円程度となっており、月給の約2.7ヶ月分に相当します。
保育士の給料がなぜ安いのか?3つの根本的な理由
■ 理由1:公定価格が低く設定されている
保育園の運営費は、国が定める「公定価格」に基づいて決定されます。この公定価格は、保育料と公費(国・自治体の補助金)で構成されていますが、公定価格自体が低く設定されているため、保育園の経営が圧迫されます。その結果、保育士の給料にしわ寄せが来てしまうのです。
■ 理由2:昇給の機会が限定的
多くの保育園では、昇給の仕組みが十分に整備されていません。経験年数が増えても、給料の上昇幅が小さいため、キャリアを積んでも年収が大きく増えない構造になっています。
■ 理由3:保育士の専門性が正当に評価されていない
保育士は、子どもたちの命を預かり、その発達を支援する重要な役割を担っています。しかし、社会全体で保育士の仕事の専門性や重要性が十分に認識されていないため、給料に反映されていないのが現状です。

保育士の手取り年収をアップさせる5つの具体的な方法
■ 方法1:キャリアアップ研修を受講して処遇改善手当を獲得
国が推進する「キャリアアップ研修」を受講することで、職務分野別リーダーや専門リーダー、副主任保育士などの役職に就くことができます。これらの役職に就くと、処遇改善手当が支給されます。
- 副主任保育士・専門リーダー:月額40,000円の処遇改善手当
- 職務分野別リーダー・若手リーダー:月額5,000円の処遇改善手当
【ブレイブ登録者の声】
「キャリアアップ研修を受講して、専門リーダーの資格を取得しました。月額40,000円の手当が支給されるようになり、年収が約50万円アップしました。研修を受けて本当に良かったです。」(H.Kさん / 35歳 / 保育士)
■ 方法2:幼稚園教諭資格を取得して活躍の場を広げる
保育士資格に加えて幼稚園教諭資格を取得することで、認定こども園での勤務が可能になります。認定こども園は、保育園よりも待遇が良い傾向にあり、給料アップが期待できます。
■ 方法3:正社員への転換を目指す
現在パートやアルバイトで働いている場合、正社員への転換を目指しましょう。同じ仕事内容でも、正社員とパート・アルバイトでは給料に大きな差があります。正社員になることで、基本給の増加だけでなく、賞与や福利厚生の充実も期待できます。
■ 方法4:公立保育園への転職を検討
公立保育園の保育士は、地方公務員として扱われるため、給料が比較的安定しており、高い傾向にあります。また、福利厚生も充実しています。公務員試験の受験が必要ですが、長期的なキャリア形成を考えると検討する価値があります。
■ 方法5:待遇の良い保育園や関連施設への転職
保育園によって給料体系や待遇は異なります。以下のような施設への転職を検討することで、給料アップが期待できます。
- 企業主導型保育施設:企業が運営する保育施設で、待遇が良い傾向
- 病院内保育所:医療機関が運営し、給料が比較的高い
- 認定こども園:保育園と幼稚園の機能を兼ね備え、待遇が良い傾向
- 児童発達支援施設:発達支援が必要な子どもたちをサポートし、専門性が評価される
【ブレイブ登録者の声】
「企業主導型保育施設に転職しました。前の職場よりも月給が5万円アップし、研修制度も充実しています。キャリアアップのチャンスも多く、転職して正解でした。」(M.Tさん / 28歳 / 保育士)
高待遇な保育園を見つけるための5つのコツ
■ コツ1:求人票の給料体系をしっかり確認する
求人票を見る際は、基本給だけでなく、以下の項目も確認しましょう。
- 各種手当(住宅手当、資格手当、処遇改善手当など)
- 賞与の支給月数
- 昇給制度の有無と昇給幅
- 退職金制度の有無
■ コツ2:処遇改善加算を受けている園を選ぶ
国の処遇改善加算を受けている保育園は、保育士の給料改善に積極的に取り組んでいる証拠です。求人票に「処遇改善加算Ⅲ対象」などの記載があるかを確認しましょう。
■ コツ3:キャリアアップ研修の支援制度を確認
キャリアアップ研修の受講を支援している園を選ぶことで、将来的な給料アップが期待できます。研修費用の補助や、研修受講中の給与保障などの制度がある園を優先しましょう。
■ コツ4:福利厚生が充実しているか確認
給料だけでなく、福利厚生も重要です。以下のような制度がある園を選ぶことで、実質的な待遇が向上します。
- 住宅手当や家賃補助
- 資格取得支援制度
- 育休・産休制度の充実
- 有給休暇の取得促進
■ コツ5:実際に働いている保育士の声を聞く
求人票には良いことばかり書かれていることもあります。可能であれば、実際に働いている保育士に職場の雰囲気や給料、待遇について聞いてみましょう。転職エージェントを利用すれば、職場の内部情報を得ることができます。

よくあるご質問(Q&A)
■ Q1. 保育士の給料は今後上がる見込みはありますか?
A1. はい、上昇傾向にあります。国は保育士の処遇改善に力を入れており、2024年度には人件費の10.7%引き上げが実施されました。ただし、個々の園による差は大きいため、職場選びが重要です。
■ Q2. キャリアアップ研修を受けるのに費用はかかりますか?
A2. 基本的には無料です。ただし、研修の実施主体や受講形式によって異なる場合があります。詳細は勤務先の園や地域の保育士支援センターに確認してください。
■ Q3. 派遣保育士と正社員では給料にどのくらい差がありますか?
A3. 一般的に、派遣保育士の時給は1,200~1,500円程度、正社員の月給は22~30万円程度です。派遣であっても、経験やスキルに応じて時給が上がる場合があります。また、派遣会社によっては研修支援や福利厚生が充実している場合もあります。
まとめ:給料が安いからこそ、戦略的なキャリア形成が重要
保育士の給料が安い理由は、個人の努力ではなく、保育業界全体の構造的な課題にあります。しかし、だからこそ、以下の方法で給料をアップさせることが可能です。
- キャリアアップ研修を受講して処遇改善手当を獲得する
- 資格を取得して専門性を高める
- 正社員への転換を目指す
- 待遇の良い職場への転職を検討する
「給料が安いから仕方ない」と諦めるのではなく、戦略的にキャリアを形成することで、手取り年収を大幅にアップさせることは十分可能です。
株式会社ブレイブでは、保育士向けの派遣サービスを通じて、キャリアアップ支援や待遇の良い職場紹介を行っています。給料や待遇について悩んでいる方は、ぜひ一度ブレイブに相談してみてください。あなたに合った理想の働き方を見つけるお手伝いをさせていただきます。
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執筆・監修
ブレイブ コラム編集室
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